「シンプルに凄い」「どういう了見か」 "電撃訪ロ"に飛び交う臆測、《昭恵外交》が生む複雑怪奇な政治状況
しかも、トランプ大統領が食事の翌日の会見で、昭恵夫人を通じて石破首相に著書や記念品を贈ったと明らかにし、「(石破首相と)会いたいと思っている」と発言。これを受けて野党議員が国会審議の中で「昭恵さんのおかげ」と高く評価した。
岩屋毅外相も「昭恵夫人は民間人だが、日米関係で極めて重要な個人的関係を有している。旧交を温めたのは大変好ましいことであって、歓迎すべきと考えている」と、ほめ上げる場面もあった。
だからこそ、今回のロシア訪問も注目度が高かった。ただ、ネット上では「シンプルに凄いと思う。あのプーチンとサシで、個人レベルで会える日本人って他にいるの?」と讃える声がある一方で、「戦争を起こして戦火を拡大している人間に平和を祈るとはどういう了見か」などとする疑問・批判のコメントも相次ぐなど、賛否が交錯している。
地元も読みあぐねる「昭恵外交」の真意
そうした中、安倍元首相の死去以来、久しぶりに昭恵夫人が政治の表舞台に登場したことが、安倍家の地元・下関でもさまざまな形で話題となっている。地元関係者は「最近は下関ではほとんど姿をみかけない状況だ。昭恵さんの肝煎りでオープンしたゲストハウス・uzuhouseも昨年12月に閉館するなど、最近は政治活動に距離を置いているように見える」と語るなど、今回のロシア訪問への“意外感”を隠さない。
昭恵夫人が東京・お茶の水で経営していた居酒屋「UZU」の元スタッフも、今回の訪ロをめぐるメディアの取材に対し、「最近はお話ししていない。下関に来られているとは思うが、お墓がある長門のほうの家にいらっしゃることも多かったようです。安倍晋三記念館をつくるという噂もなくなったと感じている」などと説明したとされる。
折しも、国内政局は6月22日の国会会期末に向けた与野党の攻防の行方と、7月20日投開票が見込まれる次期参議院選挙の結果次第で、石破政権の存続から野党政権の誕生まで「あらゆる事態が想定される」(政治ジャーナリスト)ことは間違いない。
そんな“政局激動の夏”を目前にした今回の「昭恵外交」騒ぎが、前述の“山口戦争”にどのような形で絡むのか。「当事者の1人となる林官房長官の苦々しげな反応に、複雑怪奇な地元事情が浮き彫りになっている」(地元メディア幹部)ことは否定しようがない。
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