攻撃者はあなたのPCの対策など見透かしている サイバー犯罪者はセキュリティ対策をどこまで認識しているのか

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サイバー攻撃
サイバー攻撃が増加している3つの背景と、攻撃者が認識している5つの事実をお伝えします(写真:metamorworks/PIXTA)
サイバー攻撃による被害は減ることなく、継続的に増加を続けている。その背景には何があるのか。
近著『中堅・中小企業のための  サイバーセキュリティ対策の新常識』を上梓し、数多くの企業のセキュリティ対策に実績がある那須慎二氏が、同書から抜粋するかたちで、サイバー攻撃が増加している3つの背景と、攻撃者が認識している5つの事実についてお伝えする。

デジタル価値が高まる社会

 サイバー攻撃増加の背景には、「デジタルの価値が総じて上昇傾向にある」ということがあります。コンピュータやスマホは通信回線を経由してインターネットに接続し、ネット上にある、ありとあらゆるサービスが利用でき、今はネット空間なしでは社会生活やビジネスが成り立たなくなるほどの、きわめて重要な生活インフラとなりました。

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ネット空間上でやりとりされているものは、すべて「データ」です。メールやWebサイトのデータからSNS情報、お金までと、ありとあらゆる情報のやりとりが、本来は0と1の数字の羅列で成り立つ、電気信号である「データ」で、それがネット空間上を行き来することで、現代の私たちの社会生活や仕事を支えています。そして、これら「デジタルデータの価値」が総じて高まっていることがその背景にあるのです。

 このような背景の大前提には、インターネットに接続するための通信環境(インフラ)が格段に向上し、大量のデータを瞬時にやりとりできるようになったことが挙げられます。

 音声通信がデジタルに。テキストデータが画像や動画に。最大伝送速度が10kbpsだった1980年に比べて、その40年後の2020年では10Gbps、つまり100万倍にも拡大しました。双方でやりとりする情報が、音声、テキストから画像、動画、高精細動画へと進化していく過程で、届けることができる情報量が圧倒的に増えました。

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