中国EV「小鵬汽車」、2025年内の黒字化が射程に 1~3月の販売台数は前年の4.3倍、純損失は半減

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小鵬汽車は「造車新勢力」と呼ばれる中国の新興メーカー群を代表する1社で、2022年前半までは順調に業績を伸ばしていた。しかし同年後半から販売が失速し、一時は月間販売台数が1万台を割り込んでいた。

低迷脱出のきっかけになったのは、2024年8月に発売した新型セダン「MONA M03」と、同年11月に発売したスポーツセダン「P7+(プラス)」のヒットだ。その後、小鵬汽車の月間販売台数は毎月のように過去最高を更新し、2025年4月まで6カ月連続で月間3万台を超えた。

小鵬汽車は資本提携先のVWへの技術供与からも利益を得ている。写真は小鵬汽車の車台をベースに開発されたとされるVWのコンセプトカー「ID.ERA」(VW中国法人のウェブサイトより)

販売台数の増加とともに利益率も改善している。決算報告書によれば、小鵬汽車の粗利益率は2023年4~6月期のマイナス3.9%を底に7四半期連続で上昇し、2025年1~3月期には15.6%を記録した。

VWとの協業拡大も追い風

粗利益率の上昇に関しては、ドイツ自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)との“提携効果”も大きい。

小鵬汽車は2023年7月、VWから出資を受け入れて資本提携(訳注:出資比率は約5%)するとともに、小鵬汽車のプラットフォーム(車台)をベースに2車種の新型EVを共同開発し、VWブランドで販売することに合意。その後、両社は「E/E(電気/電子)アーキテクチャー」の共同開発などにまで協業範囲を拡大している。

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この提携を通じて、小鵬汽車はVWに供与したプラットフォーム関連やソフトウェア関連の技術の対価を受け取っており、それが利益の底上げに貢献しているのだ。

2025年4月に開幕した上海モーターショーでVWが発表したレンジエクステンダー型EV(訳注:航続距離を延長するための発電専用エンジンを搭載するEV)のコンセプトカー「ID.ERA」は、小鵬汽車のプラットフォームをベースに開発されたとされる。同型車を含むVWと小鵬汽車の共同開発モデルは、2026年初めから中国市場に順次投入される予定だ。

(財新記者:翟少輝)
※原文の配信は5月22日

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