【48歳タイミーさん】厨房から見たインバウンドの真実「あれ?みそ汁って口に合わない?」外国人客に絶大な人気を誇る飲食店の洗い場で知った“衝撃の光景"

✎ 1 ✎ 2 ✎ 3 ✎ 4
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

逆に日本人が外国に行ったとき、その国の料理をすべておいしく感じるか? と言われると難しいのと同じではないだろうか。

外国人観光客が日本で食べたい日本食は何なのだろうか。

ちなみに、この店ではコーラの注文がとても多かった。外国人、特にアメリカ人は本当にコーラを愛しており、日本人が麦茶を飲むような感覚でコーラを飲むというが、それは京都の飲食店でも実感できた。

観光地に行けば「その土地ならではのものを体験したい」というのはおそらく世界中の観光客が思うことだろうが、やはり慣れ親しんだ味の安心感は格別で、抗いがたい魅力があるのだろうと腑に落ちた。

京都 スタバ 川床
なお、京都のスタバの川床も人気のスポットである。日本の伝統が息づく街・京都にもグローバル企業は進出している(画像提供:横田ちえ)

そして再び洗い場へ戻る

さきほど皿洗いですごい曲芸を見せてくれた青年がバイトを上がる時間になったらしく、私は再び洗い場へとバトンタッチした。

ローカルうどんチェーン店のススメ (本店の旅BOOKS)
『ローカルうどんチェーン店のススメ』(本店の旅BOOKS)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

彼のスタイルを少しでも取り込もうと意識しながら作業を行ったところ、最初に洗い場に就いたときよりも幾分かスムーズになり、返却棚が渋滞になるようなこともなくなった。

狭い厨房で作業効率を上げるには、狭さに特化した工夫が必須である。彼の曲芸のような作業は、彼なりに最適解を求めた結果なのである。

大勢の観光客で賑わう清水寺の参道。そこにある人気飲食店で、お店を止めないように獅子奮迅の働きをする青年は、「お疲れさまでした!」と爽やかな笑顔で参道に消えていった。

さあ、夕方までどんどん洗うぞ。タクシー代を取り戻さないとな。

この日の労働では、時給1250円の5時間、交通費500円で、6750円が支給された。

先斗町
鴨川と木屋町通の間にある先斗町(ぽんとちょう)は、これぞ京都の裏路地といった情緒ある通り(画像提供:横田ちえ)
BUBBLE-B 飲食チェーン店トラベラー・音楽家

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

ばぶる・びー

1976年生まれ。滋賀県出身。石山高校、近畿大学卒業。全国各地の飲食チェーン店の本店をめぐるライフワークを続け、チェーン店専門の研究家として活躍。著書に『全国飲食チェーン本店巡礼~ルーツをめぐる旅』(大和書房)。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
ライフの人気記事