パナと日本サッカーを牽引する! 「ガンバ大阪」新社長が《売上高100億円クラブ》の先に見据える野望の"源泉"
「ご存じのとおり、2025年は秋からAFCチャンピオンズリーグ(ACL)2に参戦するので、勝ち進めばAFC(アジアサッカー連盟)からの収入がありますし、試合増による入場料収入のアップも見込まれます。
そのうえで、大事なのは2026年。シーズンが現行の2月開幕から8月開幕へ移行するので、精度の高い予算を作っていかなければいけない。欧州と開幕時期がそろうので選手の移籍も活発化するでしょうし、移籍金収入もこれまで以上に多くなるかもしれない。本当の意味で欧州主要リーグと比較できる決算になるとみています。
中長期的な視点で言うと、ガンバはJリーグをリードするクラブにならなければいけない。そのためにも『売上高100億円を目指す』というのは社内でも共有しています」
「常時満員」を起点に描く好循環
そこで、とくに重要視しなければならないのが集客だ。ガンバの場合、2015年10月に竣工したパナソニックスタジアム吹田を本拠地にしてから今年で10年を迎える。
VIPルームなどさまざまな施設がそろった臨場感抜群の約4万人収容規模のモダンなスタジアムを使えるアドバンテージは大きい。日本サッカー協会も毎年のようにここで日本代表戦を開催しているほどで、使い勝手のよさは誰もが認めるところだ。

「僕も仕事で日本全国のスタジアムを回りましたが、吹田は日本で一番いいというのはお世辞じゃなく言えると思います。4万人収容といっても、アウェーサポーターとの緩衝帯の設置が必要で、3万6000人くらいがマックスになります。この“箱”をいかにして常時満員にし、31あるVIPルームの稼働率を100%に近づけていくか。それは今後の飛躍のカギなんです。
今季は5月末時点で平均入場者数が2万8994人。まだ引き上げられる余地はありますし、VIPルームも年間契約が約半分で、それ以外は毎試合販売している状況なので、まだまだ営業面でできることはありますね。
常時満員で最高の雰囲気を作れるようになれば、スポンサーにとっての広告価値も上がりますし、スポンサー数も広告単価も上がってくるかもしれない。そこでプレーしたいというトップ選手が来るようになって、チームが強くなり、ACL優勝・FIFAクラブW杯参戦といった好循環を作れれば、もっと賞金が増えてくる。そういうプラスのサイクルを作ることが重要なんです」
5月のACL・エリート決勝でアル・アハリに敗れ、準優勝にとどまった川崎フロンターレが10億円近い賞金を手にしたという報道が流れた。もしアジア王者に輝くことができれば、優勝賞金約15億円にクラブW杯参加収入の約15億円を稼ぐことが可能になる。ガンバが強くなればなるほど、クラブ経営規模は拡大の一途をたどるわけだ。
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