【豪華絢爛な2790万円の最上級モデル】メルセデス・マイバッハ「EQS680 SUV」ラグジュアリーな装備だけじゃない、電動化による刺激的な走り

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後輪操舵システムを備えて最小回転半径(ホイールトゥホイール)は5.1m
BEVのEQS680だが、メルセデス・マイバッハのデザインアイデンティティとなる縦バーのグリルは健在(筆者撮影)

私はこのときデザインを統括したフランス人デザイナーに、「記念に」と、ボディのアルミ材の残りで作ったペーパーウェイト(文鎮)をもらった。友人に配ったとのことで、私のものは今も引き出しの奥に眠っている。

ということはどうでもいいのだが……、復活したマイバッハの2台は2002年に発売された。62はあまりにも大きくて日本では取りまわしが大変と、販売は思わしくなかったようだ。昨今の大型車のように後輪操舵システムを備えていれば話は違ったかもしれないけれど。57は今もたまに見かける。初期型は5.5リッターV型12気筒エンジンを搭載し、圧倒的な存在感と作りのよさといった、このクルマならではの特長がある。

乗り物史に残る、ドイツのフォン・ツェッペリン(硬式飛行船を実用化した人物)が19世紀に開発した飛行船のためのエンジンを開発していたのもマイバッハ。今の若い人がどのように感じるかわからないが、こういう史実を背景に見る世代には、響くブランドだ。

2013年に姿を消したマイバッハ

後輪操舵システムを備えて最小回転半径(ホイールトゥホイール)は5.1m
後輪操舵システムを備えて最小回転半径(ホイールトゥホイール)は5.1m(筆者撮影)

マイバッハ62は全長が6mを超え、57でも5.7mある。大排気量の12気筒エンジンと大型ボディ、それにほとんど特注で仕上げられる室内が、当時のメーカーが考える”圧倒的な高級車”像だったのだ。

マイバッハ57の価格は当時5000万円程度だったけれど、2008年のリーマンショックによる主要市場の経済状況の悪化などを受けた。販売状況は期待を下まわったようで、モデルチェンジを受けないまま、2013年にマイバッハブランドは休止となった。

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