窪田:回復されて本当によかったです。見えないのもつらいですが、変な形に見えてしまうのも、違った意味で精神的に大きな負担になりますよね。視力が悪い以上に、日常生活での困難があります。
手術中に「目を動かせない」つらさ
柿島:それと、術後のうつ伏せ状態も大変でしたが、手術中に動けないこともつらかったです。局所麻酔だったので、動くなと言われてもどうしても動いてしまう。窪田先生にお聞きしたかったのですが、目の手術は全身麻酔ではできないのでしょうか?

窪田:以前は全身麻酔でやっていたこともありますが、最近では患者さんの体への負担を考えて、局所麻酔で行うことがほとんどです。手術時間が短縮されたので、局所麻酔でもできるようになったのです。ただ、柿島さんがおっしゃるように、たしかに患者さんの中には動けないことが苦痛に感じる方もいらっしゃいます。
手術中に「顔を動かさないでくださいね」と言ったら、「分かりました」と言って大きく頷かれたこともあります(笑)。そのくらい無意識に動いてしまいますよね。特に高齢の患者さんにとっては大変だと思います。ただ、私たち医師も、その状態での手術に慣れていますので、多少動いても問題なく対応できるようにトレーニングしています。
柿島:そうなんですね。止まっていなければならないことに、恐怖を感じてしまって……。
窪田:そういう患者さんもいらっしゃいますね。緊張状態が強いと、目の中のプレッシャーが上がるので、危険があります。どうしても無理な場合は、医師に相談してみてください。局所麻酔に比べて入院期間は長くなりますが、対応してもらえるはずです。
次回は、幼少期の目のケガが大人になってからどんな影響を及ぼすのか、柿島さんのお話を伺いながら解説していきます。
(構成:安藤梢)
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