「『あんぱん』は面白いけど、のぶが嫌い」「離脱しそう」の声が増加…ドラマは好調なのに、主人公が不人気の“逆転現象”はなぜ起こった?

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6月2日から放送される第10週の予告映像では、坊主頭になった嵩が出征するカットがありました。

嵩には戦地での過酷なシーンが予想されるだけに、「戦争の描写を通じて、のぶにも視聴者が共感できるシーンを増やせるか」が、今後、彼女が支持を得られるかを左右するのではないでしょうか。

あんぱん
ついに出征の日を迎えた嵩(画像:NHK「あんぱん」公式サイトより)

「感動必至の後半」に向けた正念場

そもそも一般的に有名なのは柳井嵩のモデルである、やなせたかしさんであり、妻・暢さんのことを知る人は多くはありません。

「あんぱん」の主人公は朝田のぶですが、「嵩の物語を見たい」「嵩の目線からドラマを見てしまう」という視聴者の潜在ニーズをどう変えていくのか。制作サイドとしては、いち早く視聴者に「のぶの物語を見たい」「のぶの目線からドラマを見る」と思わせたいところ。

制作サイドはそんな多少の不安があったから、「のぶと嵩は幼なじみだった」という大胆な脚色を採り入れたのかもしれません。実際にやなせたかしさんと暢さんが出会ったのは戦後であり、これは主人公・のぶの物語をよりドラマティックに見せるための脚色なのでしょう。

その脚色が効果を発揮し、のぶへの共感が本格的に集まりはじめるのは、作品全体の後半に入る7月以降の物語になりそうですが、そこまでどのように視聴者を引きつけるのか。

「嵩を献身的に支え、2人にとっての子どもである『アンパンマン』を生み出す」という感動的な展開が期待できるだけに、制作サイドにとって6月は正念場の1カ月になりそうです。

木村 隆志 コラムニスト、人間関係コンサルタント、テレビ解説者

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きむら たかし / Takashi Kimura

テレビ、ドラマ、タレントを専門テーマに、メディア出演やコラム執筆を重ねるほか、取材歴2000人超のタレント専門インタビュアーとしても活動。さらに、独自のコミュニケーション理論をベースにした人間関係コンサルタントとして、1万人超の対人相談に乗っている。著書に『トップ・インタビュアーの「聴き技」84』(TAC出版)など。

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