≪看護師の声なき悲鳴≫患者からの性的接触や暴力にさらされる医療現場の不都合な真実

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ところが30分後再び、ナースコール。またしても「漏らしちゃった」である。この時も異常なし。看護師さんは優しく声を掛けて戻っていった。すると、今度は20分後にナースコール。そしてその間隔は10分、5分と縮まっていった。

7、8回目だろうか。睡眠を妨害された筆者が切れてしまった。「いい加減にしてくださいよ。看護師さんもかわいそうでしょ」と声を上げてしまったのだ。

これをきっかけに騒動は収まり、患者は翌日、別室に移動となった。今思えば、手術直後だというのに家族も付添人もいなかった。独居老人だったのだろうか。あまりの孤独に耐えかねてナースコールに手が伸びてしまったのか。それにしても若い看護師さんはよくぞ耐えた。これも日常の一コマなのだろうか。

看護師の給与実態は?

さて、ここからは客観的データ、事実に基づく一般論として看護師の実態に触れていきたい。

今年春、全国の国立病院で働く看護師などが賃上げを求めて2年ぶりに全国一斉のストライキを実施した。ストを行ったのは独立行政法人・国立病院機構が運営する国立病院の看護師など約1万7000人の医療従事者でつくる全日本国立医療労働組合。常勤職員の基本給アップなどを求めて交渉してきたがゼロ回答となり、ストとなった。

また公益社団法人日本看護協会(会員73万人)は5月に厚労省保険局に対し「社会全体では高い水準の賃上げが広まる一方、2024年度の看護師基本給の前年度比増率はわずか1.1%にとどまる」として処遇改善につながる財政支援などを要望した。

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