"政権奪取の女神"か、それとも… 国民民主党の山尾志桜里氏擁立に禁じえない「8年前との既視感」

躍進を続けてきた国民民主党にとって、5月14日はターニングポイントだったといえる。
同党はこの日の両院議員総会で、次期参議院選挙の候補として山尾志桜里氏、足立康史氏、須藤元気氏、薬師寺道代氏の4人を内定した。だが、これを受けて、それまでは同党に好意的だったネット世論が大きく批判に転じた。とりわけ強く逆風を浴びているのが山尾氏だが、その状況には既視感が否めない。
改めて振り返る山尾氏の来歴
山尾氏は民主党政権が成立した2009年8月の衆院選で愛知7区に初出馬して当選した。2012年12月の衆院選で落選して一度は永田町を去ったものの、2014年12月の衆院選で復帰し、2016年3月に民進党が結成された際には岡田克也代表(当時)から政調会長に任じられた。
その後の蓮舫代表時代は閑職に追いやられていたが、2017年9月に前原誠司氏が同党代表に就任した際は“初の女性幹事長”に抜擢されることになっていた。それ以前に政治資金収支報告書に多額のガソリン代の支出を記載した問題が週刊誌で騒がれたことがあったものの、山尾氏の政治生命に大きなダメージにはならなかった。
しかし、8歳下の弁護士とのホテルでの“前祝い”が『週刊文春』にスクープされることが発覚。前原氏は山尾氏の幹事長への任命を断念した。一連の騒動を受けて民進党を離党した際、山尾氏は準備していた書面を読み上げるのみで、記者団の質問に答えずに立ち去った。
今回の参院選比例区出馬に際しても、ほかの3人の候補者はメディア対応を行ったが、山尾氏は会見もぶら下がり取材も行っていない。そこには国民が何を思おうが、自分には関係ないという強い意志が感じられる。
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