"政権奪取の女神"か、それとも… 国民民主党の山尾志桜里氏擁立に禁じえない「8年前との既視感」
それは、5月23日の国民民主党による参院選の候補者のポスター写真撮影会に、山尾氏ひとりだけが欠席したことからもうかがえる。こうした「何をやっても許される」という特権意識を許している一因が、世論を敵にしても山尾氏の参院選擁立を諦めない同党の玉木雄一郎代表だ。
国民民主党は昨年10月の衆院選で7議席から28議席に躍進したものの、多くは未経験の議員で即戦力になっていない。そうした事情から、議員経験のある前述の4人を公認内定したと言われている。
だが、同党の新人議員の問題とは、政治家としての能力を問うものではなく、週刊誌がパワハラ問題を暴露した岡野純子氏や丹野みどり氏、あるいは実名と職業を隠して妻以外の女性と交際していたことが判明した平岩征樹氏(離党済み)を当選させてしまったことではなかったか。ならば、過去に問題を抱えた人物を、なぜわざわざ取り込もうとするのか。
8年前の自民躍進の裏で起きていたこと
今年は6月に東京都議選挙(定数127)が行われ、7月に国政選挙(参院選)が予定されているが、その構図は2017年の政治の動きと似ている。
同年7月の都議選で、自民党は史上最低の23議席しか獲得できなかった。今年の都議選でも、自民党は5月27日時点で現職23、前職2、新人17の計42人しか公認できていないうえ、厳しい選挙戦になるとみられている。
2017年9月28日の衆院解散は、安倍晋三首相(当時)によって「国難突破解散」と名付けられた。表向きの理由は安全保障問題で、北朝鮮が8月下旬に2度にわたってミサイルを発射し、9月3日には6回目の核実験を行った。さらに翌年にかけてのエスカレーションが予想されたため、年内解散を決断したとされた。
だが、もう1つの“裏”の理由は「山尾騒動」だった。
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