日本の食卓にカリフォルニア産米は定着するか…コメ高騰で販売拡大する外国産米の実力

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一方、消費者にとっては、安価な外国米の流入は歓迎される側面もあります。選択肢が増え、生活スタイルや好みに合わせた選び方ができるようになるためです。

実際、国産米と外国米の品質・安全性に大きな違いはないという声もあり、「イメージやブランドで選ぶ時代」から、「納得できる価格と味」で選ぶ時代への移行が始まっているともいえるでしょう。

国産米を守るには、コスト削減は必須

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高級ブランド化だけでは限界があるのが、主食としての米です。今回の価格高騰で、一定の価格帯を超えると非常に大きな拒否反応が出ることがわかりました。よって、コスト削減は必須でしょう。

国際的な貿易ルールや経済情勢を踏まえると、輸入米に対して新たな規制をかけるのは現実的ではありません。とはいえ、規制を緩和すれば国内農業への打撃が大きくなるという問題があります。

今回のニュースは、農家にとっては「どのように選ばれる農作物を作るか」という経営的な問いを突きつけ、消費者には「どのような行動が日本の農業を支えるのか」という選択を迫るものでもあります。安さを選ぶか、価値を選ぶか。今、私たち一人ひとりの「食の選択」が試されているのです。

高津佐 和宏 農業経営コンサルタント

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こうつさ かずひろ / Kazuhiro Koutsusa

合同会社アグリビジネスパートナーズ代表社員。農業経営コンサルタント。農業経営を学び続ける有料オンラインスクール「儲かる農家のオンラインスクール」主宰。上級農業経営アドバイザー。1979年、宮崎県小林市に3人兄弟の長男として生まれる。実家は父の代から始めた花卉(菊が中心)農家。宮崎県内の農業高校、宮崎大学農学部、宮崎大学大学院修士課程を修了後、経営の側面から農業を勉強するために、JA宮崎経済連に就職。農業経営コンサルタントとして2018年4月に独立。独立後は、農家を直接支援するために、YouTube(1万人超)、X(旧Twitter)(4800人)、Facebook、Instagramなどで「儲かる農家になるための情報」を発信しながら、講演・セミナー活動、個別コンサルなどを行っている。主宰する「儲かる農家のオンラインスクール」には全国250名(2024年7月時点)の有料会員が在籍している。また、2022年1月からは新規就農者を対象として「農業始めたい人の学校」を講師3名体制でスタート。

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