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日本発イノベーションであるドコモの“絵文字”が終了し、世界規格の“Emoji”だけが残る理由

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  • 石井 徹 モバイル・ITライター

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ドコモ絵文字(筆者によるスクリーンショット)
【写真を見る】日本発イノベーションであるドコモの“絵文字”が終了し、世界規格の“Emoji”だけが残る理由(4枚)

2025年5月21日、NTTドコモが「ドコモ絵文字」のサービス終了を発表した。あの12×12ピクセルの小さなアイコンたちが、26年の歴史に幕を下ろす。

思えば、いまや世界中で使われる「Emoji」の原点は、1999年にドコモが生み出したものだった。それが巡り巡って、創造者である同社が最後まで独自絵文字にこだわり続け、結果的に世界標準から取り残されることになった。26年の歴史が幕を閉じる今、その軌跡を振り返る。

世界を変えた176個の小さなピクトグラム

携帯電話における絵文字の歴史は、実は1997年11月にJ-PHONE(現ソフトバンク)から発売された「パイオニア DP-211SW」が絵文字を導入したことから始まる。しかし、現在の世界的な「Emoji」文化の真の起点となったのは、1999年の27歳の若きドコモ社員・栗田穣崇氏(現ドワンゴ取締役)のイノベーションだった。

ポケベル時代、若者たちがハートマーク(♥)を使ってコミュニケーションを取る姿を見た栗田氏は、「テキストだけでは感情を伝えにくい」という根本的な課題に気づいた。わずか12×12ピクセルという極小の制約の中で、彼は176種類の絵文字を開発。太陽、雲、傘といった天気から、さまざまな表情まで——限られた点の組み合わせで、人間の感情や日常を表現する方法を編み出した。

栗田氏は最初に「傘」の絵文字から制作を始めた。最後に作ったのは「たぶん位置情報だったと思う」とXで振り返っている。

特に「位置情報」は最も苦労した絵文字で、12×12ドットという制約の中でその概念を表現するため、最終的にゴルフのピンを思いついたという。

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