――2016年のことですね。FCという形態を取った狙いは。
成城石井というブランド力と商品の調達力や開発力は、私はスーパーマーケット業界でピカイチだと思っている。こことタイアップできれば、地方百貨店としてお客様に喜んでもらえる品ぞろえができるという確信があった。
それまで入ってもらっていたテナントにはご無理を言って退店していただき、成城石井に変えた。店舗は百貨店の社員で運営している。百貨店の上の階で働いていた方々を再配置しただけなので、館としては人件費が増えていない。
人件費を増やさず、稼げるところに社員を集結させ、今まで入っていた同じ面積のブランドの売り上げをはるかに超えることができた。結果として利益率が大幅に改善した。このパッケージをほかのカテゴリでも使えないかと、事業を広げたのが今までの取り組みだ。
FCはベーカリー事業、雑貨販売のハンズ事業などに展開してきたが、切り口はデイリー商品。来店頻度の向上に効果的なデイリー商品を活性化させ、店舗の収益性を高めていく。こうした地域店の取り組みはベースが出来上がってきた。
「あのとき踏み切ったから今がある」
――百貨店がフランチャイジーになるのは珍しい。よく踏み切れましたね。
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