「目についたものはすぐ片っ端からやる」35歳でADHD発覚、”うまく付き合う”仕事術を紹介《後でやろう》は結局忘れるだけ!
目が悪ければメガネを使いますし、脚が不自由であれば車椅子を使います。それと同じように脳がこのような特性を持つのなら「視点を変える」「適切な補助を使う」ことで自分の不自由さや生きづらさは大きく軽減することができるはずです。
一般的には「障害」と呼ばれる特性も、文明の利器に頼ったり、マインドを変えることで新たな可能性が見えてきます。
例えば、ADHDの特性上、マルチタスクをこなすことには大変な困難が伴いますから、カットイラストのような大量のイラストを描くのではなく、1枚のイラストに価値を持たせる戦略を私は採用しました。
作業に取り掛かるまでに時間はかかりますが、一度エンジンがかかると徹底的に制作に没頭することができるので、気分が乗らないときも「ひとまず軽く手をつける」ことを意識、そして集中力が切れたら、躊躇なく休憩を取る。このような働き方のサイクルを確立することで、生産性を高められることを発見したのです。
「変えられない」自分の特性を理解し、それに合わせた働き方を見つけることで、イラストレーターとしての活動の幅も大きく広がりました。戦うのではなく、自分らしい方法を見つけることが、前に進むための一歩となったのです。
弱さは武器に変えられる
みなさんの中にも、どうしても「変えられない」部分がきっとあるのではないでしょうか。それを無理に変えようとするのではなく、「自分らしい特性」を受け入れることで活路は必ず開かれます。
それにはまず、自分の「弱点」を解像度高く把握することがスタート地点となります。弱点を一つひとつノートに書き出してみるとよいでしょう。
例えば私の場合、「一つのことに異常なまでに没頭してしまう」という特性が問題でした。SNSのタイムラインやYouTubeを一度開いてしまうと、気づいたら何時間でも過ぎてしまう。
これはドーパミンシステムの特性によるもので、目先の楽しみへの反応が敏感なため、「次の投稿」「次の動画」と際限なく没頭してしまうのです。結果、やるべき作業が後回しになったり、生活リズムが乱れたりします。
「さまざまなことに興味が移り変わる」という特性もそうです。これは、ある趣味や活動に短時間・短期間夢中になっても、気が移ろいやすく、すぐ次のものに目移りして熱中してしまう。結果、どの分野も中途半端になりがちで、スキルの積み重ねや目標達成が難しいということが自己分析から見えてきました。
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