「篠原涼子が10歳年下の新卒男子と…」「女遊びを隠すために契約社員のクビを画策」…TVerでも配信『anego』令和の若者が見て"驚愕"したワケ

令和に改めて見るとソワソワする職場恋愛の描写といえば、黒沢と奈央子の年の差恋愛もその一つ。筆者がつい現代目線で見て“ドキッとした”のはこんなシーンだ。

黒沢に好意を寄せられている奈央子は、10歳の年の差を意識してあくまで先輩として彼に接してきたが、あるとき酔った勢いで一夜をともにしてしまう。

翌朝、酔いが冷めて焦る奈央子に、見知らぬ女性から一本の不審な電話が。声の主は、昨晩2人が路上で抱き合っているところを見たと言い、物々しい雰囲気で奈央子に迫る。

ここまでの展開を見ていた筆者は、反射的に「新卒に手を出した奈央子に、会社の関係者からパワハラ的な疑いがかかるのでは……」とドキドキしながら身構えた（この場合は両者合意の関係ではあるものの、第三者から見るとわからないため）。

だが実際のところ、電話の主が奈央子を脅したのには全く別の理由があり、筆者の予想は杞憂に終わった。新卒社員との恋愛をどう受け止めるかは人によるが、ドラマといえど筆者と似たようなリスクを想像する人が今は少なくないのではないだろうか。

奈央子は黒沢から「アネゴ」と呼ばれ、社内でもその呼び名が浸透していく（出所：Hulu公式サイト）

非正規社員がリスクを背負わされた当時の描写

職場恋愛をきっかけに、女性の非正規社員に対する差別が露呈する、以下のようなエピソードは今なら炎上必至だろう。

思いもよらず契約切りの危機を迎えることになったのは、奈央子を慕う後輩の契約社員・長谷川真名美（市川実和子）。長谷川は合コンで知り合ったエリート社員・宮本と関係を持ち、純粋な思いを寄せるが、その後彼には婚約者がいることが発覚する。

ショックを受けた長谷川はその翌日、宮本への気持ちをぶつけた赤裸々なメールを部署全員に誤って送信してしまい、社内はその噂で持ちきりに。

慌てた宮本は部長の阪口に、人員整理の名目で長谷川をクビにできないかと男子トイレで交渉。対して阪口はその提案を否定せず、長谷川も転職したほうが心機一転できるんじゃないかと半ば同意する。宮本の婚約者は重要な取引先の娘らしい。ようは波風を立てたくないということだ。