「スタッフはシフト制」「球団ごとに動画制作の担当がいるわけではない」…。パ・リーグ人気に火をつけた「パテレ」。切り抜き動画の制作の裏側

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球場という空間ではプレー以外にもいろいろなことが起きています。プレー以外の面白そうな要素を切り抜いて紹介する短尺動画は、ライト層にも楽しんでいただけるものと考えています。野球の試合は約3時間と長いです。プレーに集中するコア層にとってはいいのですが、やはりライト層には短尺動画がわかりやすいのかなと」(新井氏)

新井仁
新井仁(あらい・じん)/1970年生まれ。印刷会社、広告会社を経て、2005年福岡ソフトバンクホークスマーケティング(現:福岡ソフトバンクホークス)に入社。宣伝、広報、マーケティング、法人営業の責任者を務めたのち、パシフィックリーグマーケティング株式会社に出向。2024年3月に代表取締役CEOに就任(写真:今井康一)

「6球団でまとまったらよいこと」「1球団ではできないこと」を考え方の軸としてリーグビジネスを推進するPLM。サービス強化を目的に、6球団で協力する取り組みは多岐にわたる。人気キャラクターなどとコラボした6球団共同企画は2014年頃からスタートし、現在も継続中。好評を博しプロ野球ファン拡大につながっている。

「2014年からパ・リーグ6球団共同企画として、『パ・リーグ親子ヒーロープロジェクト』を開催しました。球場に一度も来場したことがない親子を中心に、さまざまなイベントを通して楽しい体験をしてもらい、プロ野球に興味関心をもっていただこうという目的で始めたんです。『ウルトラマン』とタイアップし、選手たちを応援するためにウルトラマンが各球場に出向いたり、いろいろなイベントで盛り上がったと聞いています」(森氏)

「当時ホークスに在籍していたのですが、ウルトラマンの隊員の乗り物に選手が乗っている構成の写真をビジョンに映したり、選手たちもめちゃくちゃ楽しんでやっていました。人気キャラクターや話題性のあるネタは、集客やファン層の拡大につながりやすいので球団側も企画に乗りやすいです。

また、『ホークスはこうだったけど、バファローズはこうだったよ』みたいな感じにファンの間でも話題になっていましたし、有意義な企画だったなと。このようなコンテンツはスポンサーの獲得につながることもありますし、球団側がコンテンツと絡めたイベントを球場で開催できたり、いろいろなメリットがあると感じています」(新井氏)

野球に詳しい人間ばかりではない

パ・リーグ6球団のIT事業をまとめていることもPLMの強み。CMS(コンテンツ・マネジメント・システム)により6球団のWEBサイトのコンテンツやデザインを効率的に管理・更新。ファンに対するユーザビリティ向上にもつながっている。

「共通のコンテンツやデザインを使う場合がある一方で、各球団によってニーズが異なる部分もありますので、球団からこういう機能を付けてほしいといった要望があればそれに応えています。また、6球団のITやマーケティング部門の担当者とは月1回集まってミーティングをするなど、緊密にコミュニケーションをとるようにしています。フィールド上では対戦相手になるわけですが、ファンに楽しんでいただく、サービスを強化していくことは各球団共通の課題ですから」(新井氏)

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