「オリンピックの視聴率を超えた」メジャーリーグ開幕戦“30%超の高視聴率”で見えてきた《残酷すぎる真実》…「コア層」と「ライト層」の分断が始まった?

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コアな野球ファンが配信を好む主な理由は、「地上波の実況はさわがしく、特定のチームをひいきしすぎる」「試合やインタビューの途中で中継を打ち切る」「CMが多くて見づらい」の3点。

さらにこれは、CSや動画配信サービスでの視聴が浸透する前からの根深い不満だけに、不信感の払拭は難しいところがあります。

「同時に見て盛り上がる」機会は減るか

それ以外でも配信での視聴には、「プレーを繰り返し見やすい」「映像が地上波よりも美しい」「地上波のような初心者向けの説明や盛り上げるための演出がなく見やすい」などのメリットをあげる声があり、今回のメジャー開幕戦でもこれらの声がネット上にあがっていました。

このような「コア層は配信」「ライト層は地上波」という二分化は、野球に限らずスポーツ中継全般で進む一方。今回のように「地上波でも配信でも中継がある」という場合は問題ないでしょう。

しかし、サッカー日本代表のワールドカップアジア予選やボクシング・井上尚弥選手の世界戦がそうであるように、「放映権料の高騰で日本のテレビ局が買えない」という事態になったとき、ライト層は行き場を失ってしまいます。

実際、サッカー日本代表ワールドカップアジア予選の「地上波のないアウェー戦は見ていない」、世界的なスーパースターである「井上選手の試合は最近見ていない」という人は少なくありません。

どちらも「地上波なら少なくとも個人10%台・世帯20%台の高視聴率を狙えそうな試合が放送されない」という事態が続いているように、業界内には「野球もライト層の視聴機会が失われていくのではないか」というリスクを指摘する声があがっているのです。

ライト層の中には「地上波で放送しないなら別に見なくていい」という人もいるでしょうが、残念なのは「日本中の人々が同じコンテンツを一緒に見て盛り上がる」という一体感を得られる機会が失われていくこと。

また、近年では最大のスポーツイベントであるサッカーワールドカップと夏季オリンピックの中継ですら配信視聴する人が増えたことで、「地上波とは異なる実況と解説を聞くため、競技や結果の印象などが変わる」という“小さな二分化”も起きはじめています。

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