「オリンピックの視聴率を超えた」メジャーリーグ開幕戦“30%超の高視聴率”で見えてきた《残酷すぎる真実》…「コア層」と「ライト層」の分断が始まった?

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ただ、今回のメジャー開幕戦によるフィーバーは、無邪気に楽しんでばかりもいられないシビアな現実も浮かび上がりました。

進む「コア層」と「ライト層」の二分化

メジャー開幕戦は日本テレビ系による地上波の放送だけでなく、Amazonプライム・ビデオでネット配信されました。これは30%超の高視聴率につながった地上波の視聴者だけでなく、配信でも多くの人々が見ていたということであり、まさに国民的コンテンツだったという感があります。

「通年開催の公式戦、しかも両チームの計5人以外は外国人選手ばかりの試合でこれだけの視聴率を記録できる」ことに驚いた人が多かったのではないでしょうか。

では、NPB(日本野球機構)の公式戦はどうなのか。あらためて振り返ると、昭和から平成初期にかけて地上波の野球中継は「高視聴率が獲得できる鉄板の番組」と言われていました。

特にその傾向が大きかったのは、読売ジャイアンツの試合。高い人気を誇っていたものの平成中期あたりから陰りが見え、視聴率の低下とともにゴールデン・プライム帯から減らされていきました。

その間、NPBのファンたちは有料のCSで試合を見るようになり、さらに近年では動画配信サービスでの視聴が急速に浸透。もはや「地上波で野球の試合を見るのは大半が高齢層」という状態が続いていました。

一方、NPBのファンを除く世間の人々が野球に注目するのは、国別世界一決定戦のWBCのみ。こちらは国の威信をかけた戦いであり、メジャーリーガーの参加もあって、地上波での高視聴率が期待できるほどの幅広い関心を集めています。

しかし、ふだん配信で野球を見ているNPBファンの中には「WBCの視聴も地上波を選びたがらない」という人が増えていました。

つまり、コアなファンほど「ネット配信のほうが見やすい」「地上波は見づらい」と思っているのです。特に2020年代に入ってからは年々、野球におけるコアなファン層の“テレビ離れ”は鮮明になっていましたが、それはなぜなのか。

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