人手不足だろうがミスマッチだろうが、労働市場に摩擦が生じているのであれば同じことだと考える人もいるだろう。しかし、人手不足とミスマッチでは、政策的な対応方法がまったく異なる。
仮にマクロ経済全体で人手不足が生じているのであれば、いずれの年齢層でも賃金上昇が継続することになる可能性が高く、物価への波及が確認できれば日銀による利上げが正当化される。
すなわち、日銀が人手不足を前面に押し出して利上げを継続していることが正しいということになる。
ミスマッチは利上げで解消しないどころか逆効果
一方、当レポートで示したように、日銀短観などで示される人手不足感があくまでも年齢別のミスマッチによる人手不足「感」にとどまる場合、マクロ政策である利上げによる対応で解決することはできないだろう。
ミスマッチを解消するために有効なのはマクロ政策ではない。それどころか、利上げをし過ぎることで総需要を減らしてしまうというリスクが高まる。むろん、政策的に求職者を若返らせることはできないので、求職者のスキルアップを促すか、高齢層も長期間働けるような環境作りが重要だろう。
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