「1年で500万円の“投げ銭”をした」30歳男性が借金してまで「女性ライバー」にハマってしまったワケ その背景に"闇落ち"させる投げ銭の仕組みがあった

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刺殺事件の現場
女性配信者が刺殺される事件が起きた現場。多くの花や供物が置かれていた(筆者撮影)

3月11日、「ライバー」と呼ばれる動画配信者の女性が、視聴者の男に刺殺されるという痛ましい事件が起こった。男が女性に多額の金を貸していたことによるトラブルが原因とされている。

筆者は、勤務先である久里浜医療センターにて、長年にわたり「インターネットを過度に使用してしまう患者」の治療に取り組んでいる。そこでは、動画配信者に多額の課金(いわゆる「投げ銭」)を行い、生活困窮や借金などの問題が生じた患者は珍しくない。

今回は、オンライン上の動画生配信(以下、ライブ配信)の現状と、そこにのめり込んでしまう人々の傾向について解説する。

ハマりやすい「投げ銭」の仕組み

あらためて、ライブ配信および、それに伴う「投げ銭」の仕組みについて説明したい。

動画配信サービスの中でも、「ライブ配信」サービスとは、PCやスマートフォンからライブ形式で動画等の配信を行うものであり、視聴者と配信者との間でリアルタイムでのやりとりが行えることが大きな特徴だ。

視聴者はWebサイトやアプリの配信スペースなどを通じて、その動画を視聴する。視聴、配信ともに無料で利用できることが多いが、配信スペースに対して毎月固定金額を支払うことで、広告なしの視聴が可能になったり、限定スタンプ等が利用できるようになったりと特典が提供されるサービスもある。

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