「難関公立で定員割れ」大阪公立校に衝撃走った"寝屋川ショック" 現場の先生の考えを聞いた

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―――私立無償化というのはあくまでも授業料だけで、入学金や制服代・参考書代は対象外のはずでは?

私も驚いたのですが、どうやら外部模試代を授業料の一部としてカウントしている私立高校があるようです。もちろん模試代以外の、入学金や制服の費用・修学旅行の費用などは自己負担になりますが、公立高校では外部模試の受験料を公費から出すことはできません。

このような私立高校の説明を聞き、私たちは説明会のやり方を見直しました。授業料以外でかかるお金は、物価高騰の影響や、外部模試の数など活動内容を増やせば変わるものではありますが、なるべく現時点での見込みを立て、何にどれくらいお金がかかりそうか、丁寧にお話しするようにしました。「出席した高校の説明会でいちばんわかりやすかった」とアンケートに書いていただくこともできました。

北摂地域のアドバンテージ

―――そうした努力が、吹田東高校の志願者増加に寄与したとお考えですか?

一因にはなったのかな、と思っていますが、それだけで倍率が戻ったわけではないと思います。私たちは学校として、外部の企業等と連携した探究活動に力を入れており、その面でほかと比べてかなり特色のある授業を行っているという自負があります。これも志願する人たちには肯定的に捉えてもらえたのかなと思っています。

とはいえ、われわれの努力だけではない面があるのも正直なところです。本校は、立地や校舎の面で恵まれています。北摂地域はほかの地域と比べて子どもの数が減っていないというアドバンテージがあります。今回、倍率が維持できた大阪の公立高校は、北部の地域に集中しているんです。

また、公立高校としては珍しいかもしれませんが、6年前に建て変わった新校舎があり、ほかの私学と比べても遜色ないくらいにきれいだという評判を得ています。そういった面で、はっきりいって恵まれている学校です。だからこそ、この倍率になったのではないかと考えています。

―――今後、公立高校としてどのような取り組みが求められるとお考えですか?

難しい課題であり、答えが出ていないというのが正直なところです。ただ、個人的な意見を述べるのであれば、大阪府の公立の試験方法に改善の余地があるのかもしれないと考えています。

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