「孤独死や闇バイト」住宅を危険から守る最新技術…「スマートライフ」サービスで豊かな暮らしになるか
高齢者の状態に関する情報は、高いプライバシー保護が求められるので、それらの情報を自治体と担当するケアマネまたは民生委員しか見られない仕組みとした。サービス開始後、東京や大阪などに離れて暮らす家族から実家の見守りに関する問い合わせが来るようになった。初年度にサービスを導入した高齢者世帯には国の補助金を使い実証事業としてIoT機器やネット環境を整えたが、今後は、各家庭でIoT機器とネット環境を整えてもらい、市が補助金で一部負担し、市民に広くサービスを利用してもらうことにしている。
IoT機能付きエアコンを熱中症対策に活用する研究も始まっている。熱中症による搬送件数は2024年に9万7578人と過去最高を記録したが、発生場所の4割が住宅で、搬送者の半数が高齢者だった。年間死亡者数も2023年に1651人に達し、その8割以上が高齢者で、その9割が室内でエアコンを使っていなかった。IoT機能付きのエアコンであれば外部から操作できるので、もし適切なタイミングでエアコンを作動できれば、熱中症を防止できる可能性は高い。
国立環境研究所では、2024年度からシャープなどの家電メーカーの協力を得て研究に着手した。人感センサーによって居室内の人を把握し、温度・湿度センサーなどで暑さ指数(WBGT)を実測して対策が必要かどうかを判断。状況によって外部からエアコンを作動させるなどの措置を講じる。今後も地球温暖化による気温上昇が見込まれるだけに実用化が待たれるサービスだ。
闇バイト報道で日本でも高まる防犯意識
アメリカでスマートホームが普及した最大の理由が防犯対策で、約4割の住宅に防犯システムが導入さていると言われる。日本でも昨年8月に闇バイトなどのニュースが報じられたことで、防犯に対する意識が高まり、住宅業界でも対応に迫られている。
これまでセコムやアルソック(綜合警備保障)などの警備会社がホームセキュリティサービスを提供してきた。住宅に設置した防犯機器のデータを警備会社が監視し、異常検知後25分以内に警備員による駆け付けサービスを行うため、初期導入費用+月額利用料5000円程度と負担が重かった。
このサービスを手軽に利用できるようにしたのが、異常発生時に居住者のスマートフォンに自動通知する「セルフセキュリティ」サービスだ。警備会社の駆け付けを居住者が必要と判断した場合のオプションサービスとすることで月額利用料は1000円程度と導入しやすくした。
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