「孤独死や闇バイト」住宅を危険から守る最新技術…「スマートライフ」サービスで豊かな暮らしになるか
石川県能美市では2024年4月から各種センサーを使って地域のケアマネや民生委員の活動を支援する高齢者見守りサービスを導入した。同市は、加賀平野の中央に位置し、2005年に根上町、寺井町、辰口町が合併して誕生した人口約5万人の地方都市。北陸新幹線小松駅で下車してタクシーで市役所に向かう途中で市内の様子を見ると、農地の中に住宅が点在するのどかな風景が広がる。
同市のサービスは、見守りが必要な高齢者世帯に、人感センサーなどを装備したシャープ製の空気清浄機、または三菱電機製エアコンを設置。各家庭で得られたデータはインターネットを経由して、まずは各メーカーのクラウドサーバーに蓄積される。そこから見守りサービスに必要なデータを、シャープ子会社「AIoTクラウド」のサーバーに送って高齢者の状態を把握するための高次化処理を行う。
その情報を能美市の汎用連携システムで、イエIDと照合して高齢者の住居を特定し、市から高齢者世帯を担当するケアマネまたは民生委員に通知して安否確認などのサポートを行う仕組みだ。
異なるメーカー間のデータ連携を可能にする共通基盤
IoT機能付きの家電製品や設備機器は、各メーカーで稼働データを収集してクラウドサーバーで管理している。そのデータを囲い込んで他のライバル企業に提供しないことが、データ連携サービスの開発が進まない要因となってきた。また、家電製品を設置した家の情報もメーカーごとにバラバラで共通IDが整備されていないため、家単位でデータを連携してサービスを提供することも難しかった。
能美市では、これらの課題を2つの技術基盤によって解決した。1つは、スマートホームの標準通信規格を推進する団体「エコーネットコンソーシアム」が開発した共通API規格「エコーネットライト・ウェブ・API」。これによって異なるメーカーのシステムを連携することが可能になる。もう1つは、同コンソーシアムと電子情報技術産業協会(JEITA)が開発した「イエナカデータ連携基盤」だ。家を特定する「イエID」によって家に設置された異なるメーカーのIoT機器データを連携できるようになる。
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