「加齢=老化」と言い切れない意外な"脳のピーク" 「50代以降」でも伸びていく能力だってある

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この感覚、50代以降の人には実感できるかもしれません。

10代は自我の確立をするために、意識の中心には自分がいる。それが社会人になり、「相手」という存在を意識せざるを得ないシーンが増えるのが20代の頃です。その後いろいろな経験を積み、人の気持ちを考えるようになっていく。まさに結晶性知能が高まっていきます。

ところが50代くらいからは、だんだんと周りのことを気にしなくなる人がいます。別に悪気があってそうなるのではなく、脳の能力が落ちていくことで自然とそうなっていくのです。

48歳を超えたら「相手の気持ち」を意識して

こうした傾向は、着るものにも影響します。若いときは近所のコンビニに行くのにもちゃんとした外着で行っていたのが、50代、60代になると着替えるのもだんだん面倒になり、家着のままで外出したり、さらに進むと寝間着のままで行ってしまったり。どんどん人目が気にならなくなっていくのです。

『増量版 80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)。書影をクリックするとAmazonのサイトにジャンプします

「相手の気持ちを読む力」がさらに衰えていくと、いわゆる失礼な老人、キレる老人になっていくこともあります。

家族に横柄な態度をとったり、お店で店員さんに乱暴な言葉を使ったり、自分の思い通りにならないことにキレたり……。48歳を超えたら「相手の気持ちを考えること」に意識を向けていくと覚えておいてください。

ただ、「人の気持ちを読む力」の調査でもうひとつわかったことがあります。それは、人によって振れ幅が大きいということです。たとえば40代でピークになる人もいれば、そのピークが70代、80代まで持続する人もいます。

この差は何か? ピークを長く保てる人は、老人脳にならないために、脳の老化をゆるやかにしたり(スローエイジング)、積極的に若返らせる工夫(ダウンエイジング)をしているのです。何もしないと自然に脳は老化しますが、うまく工夫すると、効果が出てきます。

脳を元気にすることは、人生を充実させるための大切な行為です。

西 剛志 脳科学者(工学博士)、分子生物学者

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にし たけゆき / Takeyuki Nishi

脳科学者(工学博士)、分子生物学者

1975年生まれ。東京工業大学大学院生命情報専攻卒。博士号を取得後、特許庁を経て、2008年にうまくいく人とそうでない人の違いを研究する会社を設立。世界的に成功している人たちの脳科学的なノウハウや、才能を引き出す方法を提供するサービスを展開し、これまで3万人以上に講演会を提供。著作は20万部のベストセラー『80歳でも脳が老化しない人がやっていること』(アスコム)をはじめ、『1万人の才能を引き出してきた脳科学者が教えるやりたいことの見つけ方』(PHP研究所)、『脳科学的に正しい! 子どもの非認知能力を育てる17の習慣』(あさ出版)など、海外を含めて累計発行部数 40万部を突破。

【脳科学者 西剛志公式サイト】
https://nishi-takeyuki.com

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