――日本愛妻家協会は事務局長以下の全員がボランティアスタッフだそうですね。小菅さんが参加した経緯も教えて下さい。
私は2003年に同じ年の妻と結婚しました。しかし、2人目の娘が生まれた頃には夫婦関係がうまくいかなかったタイミングがありました。原因は、子育てを通じての価値観のすれ違いですが、悪い意味で日本男児だった私は「察する心」を大事にしたいタイプで、本心や弱音を家族に素直に伝えられませんでした。変なプライドがあったのだと思います。
妻は思いや考えをストレートかつオープンに伝えたいタイプです。私は家の中でも心のヨロイを脱げず、本音を伝えられない状態でした。そんなズレが積もり積もって、価値観の違いが浮き彫りになってしまったんです。
良い関係に戻りたい、でも戻り方がわからず本音も伝えられない。自暴自棄になった私は、自分自身ではどうすることもできないまま、離婚届に判を押すところまで行ってしまいました。まさに離婚の危機です。

本当に離婚したいのか、いや、ちゃんと元の通り仲良くしたい、でもどうしたらいいかわからない、と悶々としていたときに日本愛妻家協会のことを知り、自分の思いを赤裸々に綴った長文メールを日本愛妻家協会に藁にもすがる思いで送りました。すると事務局長が会ってくれて、その年のキャベチューに「ご家族でいらっしゃい」と誘ってくれたのです。
誘われるまま、家族を連れて一緒に嬬恋村に向かい、叫び台に立ちました。自分は本音や気持ちを素直に表現するのが苦手だと告白。妻に悲しい思いをさせてしまったことを心から謝罪し、いつまでも一緒にいたいと愛を叫びました。
キャベチューのおかげで素直な気持ちを言えるように
――それで仲直りできたのでしょうか?
それほど簡単ではありません。愛を叫んで清々しい気持ちになっているのは自分だけで、妻には人前で謝罪と愛を叫ばれること自体に恥ずかしい思いをさせてしまったようです。ただ、このことがきっかけで、本当に少しずつではありますが、言いたいことをきちんと伝える、察してくれよ!では相手はわからず、時に喧嘩をしてでもきちんと本音を伝え合う、ということができるようになってきたように思います。あれから約20年になりますが、まだまだここについては成長中です(笑)。
この経験を通して、私は「ちゃんと本気のケンカ」ができるようになった気がしています。キャベチューのおかげで妻に本音をぶつけることができ、素直な気持ちを言えるようになりました。おかげさまで、遅ればせながら夫婦仲はだいぶ良くなったように思います。
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