ドイツ次期政権は躍進した「右派AfD」抜きで成り立つのか?現地で各党を直撃!右派を避けつつ移民対策を取り込むアンビバレントな舵取りの行方

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AfDは第2党に躍進したため、「AfDを除外して政治は進められなくなっているのでは」と聞くと、「確かに難しくはなっているが、AfD抜きでも政治を進めることを可能としなければならない。CDU・CSUははっきりとAfDと距離を置かねばならない。そうでなければ協力できない」と原則的な立場を譲らなかった。

SPDは長期低落傾向が続く。「思想としての社会民主主義に未来はあるのか」と聞くと、「100年前にSPDは禁止されたこともあったが、もちろん今の状況も耐えることができる。しかし、特に外交安全保障分野で刷新が必要だ。ヨーロッパはトランプ米政権に対して釣り合いを取る重しとならねばならない」とこれまでのアメリカに依存していた安全保障政策から転換を図る必要性を語った。

AfDでは警察官がバリケード

午後6時30分に選挙事務所を後にして、電車を乗り継いで30分ほどのベルリン郊外にあるAfDの選挙集会会場に向かった。事前に済ませていた取材申請は断られたが、会場周辺には支持者も集まっているだろうから、雰囲気だけでも感じられるかもしれない。

ただ、最寄り駅から10分ほど歩いて会場近くまで来ると、警察がバリケードを作ってそれ以上は近づけなかった。

AfDの選挙集会会場に続く道にバリケードを張る警察官(筆者撮影)

警察官と並んでバリケードにいたAfD担当者は、「事前登録がなければ会場に近づくことはできない」とにべもなかった。

AfDの催しでは、左翼活動家が詰めかけてAfD党員の入場を妨害する活動が繰り返されている。開票日も西部のノルトライン・ヴェストファーレン州で妨害行為があったと報じられていた。警察の厳重な警備と緊張感が、AfDをめぐる政治対立が依然として険しいものであることを物語っていた。

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