「トライアルの西友買収」でスーパーが激動する訳 九州発のディスカウント大手が狙っていること

ディスカウントストア大手のトライアルが西友を買収するというニュースは、大きなインパクトとして受け止められた。セブン&アイやヨークHDの動向も合わせて、いわゆる「流通大再編」をめぐる話題がネット上でも飛び交うようになった。
西友が九州発祥のディスカウントストアの傘下となり、ヨークHDがファンド傘下(セブンの持ち分法会社)に入るとなると、両社とも地盤とする首都圏の小売業界や消費者にとっては影響が大きい。
トライアルは首都圏でほとんど知られていなかったチェーンであり、現時点では存在感が薄いが、買収はいったいどのような狙いで、今後の首都圏の流通はどうなっていくのか解説しよう。
トライアルによる西友買収の目的
トライアルは西友買収に関する説明資料を公表しており、2025年7月に買収金額概算3800億円で西友の全株式を取得すること、そのうち3700億円は借入金で調達すること、西友のブランドは残すことなどを明記している。
本件の目的としては、「優秀な人材・企業文化の融合」「売上高1兆円超の小売業への飛躍」「人口集積地の関東を中心に242店舗を獲得すること」「さらなる業界再編への布石」の4つが示されている。
たしかに、西友の人材や取引先、物流・プロセスセンターといった供給インフラがセットで242店舗加わるため、3800億円を242店で割ると1店舗あたり約15.7億円という値段は割に合うかもしれない。
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