東北新幹線「連結外れ」がJR東に与えるダメージ 原因はわからないが「対策」施して連結再開
連結が外れるに至った「何らかの電気的な異常」などの原因はまだ判明しない中、機械的に連結が外れないよう金具で固定するという当面の対策を講じて早期の連結運転再開に踏み切るのは、JR東日本の新幹線ネットワークにとって連結運転がいかに重要かを示しているといえる。
山形新幹線と秋田新幹線はともに、在来線の線路を新幹線と同じレールの幅(標準軌・1435mm)に拡げて改良し、既存の新幹線と直通運転できるようにした「ミニ新幹線」。1992年の山形新幹線開業時から、その発展を支えてきたのが連結運転だ。東北新幹線の列車と連結して「1本の列車」として運行することで、線路のキャパシティが限られる中で東京方面への直通を実現した。

「連結」が支えた東日本の新幹線網
2本の新幹線を連結する技術は国鉄時代に開発されており、1986年に東海道・山陽新幹線で自動分割・併合の試験を行っている。同新幹線では駅で連結・切り離しを行う列車は今まで運転されていないが、これが後に東日本で実現した形だ。
山形新幹線に続き、1997年に開業した秋田新幹線も同様に、東北新幹線と連結することによって東京方面への直通運転を実現した。山形・秋田と東京方面の所要時間短縮は、ミニ新幹線への改良による速度向上とともに直通による乗り換え解消の効果も大きい。「連結」は東日本の新幹線ネットワークの利便性向上を支えてきたといえる。

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