東北新幹線「連結外れ」がJR東に与えるダメージ 原因はわからないが「対策」施して連結再開

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この列車は、新函館北斗・秋田発の上り「はやぶさ・こまち10号」として東京駅に到着し、折り返しの下り列車として新青森・秋田へ向かうところだった。上り列車としての運転中、盛岡駅での「はやぶさ」と「こまち」の連結作業は通常通り行われたという。

ただ、発生直後の点検で「こまち」E6系の連結器が分割(切り離す)動作を繰り返す状態が確認されており、JR東日本は連結走行中に何らかの電気的な異常が発生したものとみている。同社コーポレート・コミュニケーション部門によると、新幹線の連結器は6万km走行するごとに検査を行っており、車両にもよるが「おおむね1カ月周期」という。

走行中に分離した「はやぶさ」と「こまち」
走行中に分離した「はやぶさ」H5系(左)と「こまち」E6系。停車した際は約8m離れた状態だったという(写真:JR東日本)
走行中に分離した「はやぶさ」と「こまち」の連結器
走行中に分離した「はやぶさ」H5系(左)と「こまち」E6系の連結器(写真:JR東日本)

前回の「連結外れ」対策は済んでいたが…

東北新幹線では、2024年9月19日に宮城県内を走行中の盛岡・秋田発東京行き「はやぶさ・こまち6号」の連結が時速300kmで走行中に外れるトラブルが発生した。

この際の原因調査では、「こまち」E6系車両の運転台にある、連結作業が完了しない場合に再度切り離しを行うためのスイッチの端子部分に金属の切りくずが発見され、この金属片によって回路が誤作動したことが原因と推定された。これを受け、JR東日本は連結運転を行う新幹線の車両全てに対し、このスイッチの配線を取り外して無効化する対策を実施していた。

今回のトラブルが起きた車両もこの対策を施していたものの、走行中に連結が外れる事態が再び発生した。国の運輸安全委員会は、異例の事態の再発を受けて「重大インシデント」に認定。原因調査を進めている。

E6系 運転台
E6系の運転台(撮影:尾形文繁)
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