「ChatGPTが東大入試解いてみた」驚く結果の中身 新しい「o3」が登場、人間はどう向き合うか
実際に2025年度の東大入試の数学の問題をChatGPT o3-mini highに解かせ、その解答を筆者が採点してみました。
なお、東大入試の採点基準は公表されていないため、点数配分などは筆者個人の予想である点にご留意ください。
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2025年度の理系数学は例年に比べて難しい試験であり、普通に合格するだけであれば、60点/120点 取れればいい難易度なのですが、ChatGPTはその合格ラインを優に超えてきています。
具体的には、この点数は東大受験生の上位約1%の成績に該当する点数だと予想されます。しかも本来の試験時間150分に対して、ChatGPTは12分で解ききっていて、この点数です。もはや人間が太刀打ちできる存在ではないことは確かです。
あわせて、2025年度の文系数学についても同様の実験を行いました。

文系数学に関しては、40点/80点が合格ラインですが、ChatGPTは余裕を持ってそのラインを超えてきています。しかも、これに関しても、人間には考えられない解答時間で解いています。
以上の結果より、ChatGPT o3-mini highは明らかに東大受験生を超える数学力を有していると言えるでしょう。
高校生が数学を勉強することは意味がないのか?
では私たち、特に高校生が数学を勉強することに意味はないのでしょうか?
この疑問に答えるため、ChatGPTが間違えた問題を見ることにしましょう。次の表は、ChatGPTが満点を取れなかった問題およびChatGPTが出した答えの何が間違っていたかを一覧にしたものです。

ChatGPTの間違い方として顕著なのは、
① 場合分けを正しく行うことができない。
② 一般のnに対しての議論ができない。
の2点でした。
①に該当するのは、今回のケースで言えば、理系大問3や文系大問2の問題です。ここでは前者の問題を見てみましょう。
本問の正しい解答では、aとbの大小関係によって場合分けが生じていますが、ChatGPTによる解答では、その場合分けを完全に無視した解答になっています。
本問のキーとなるのは、この場合分けに気づけるかという箇所なので、それを無視しているChatGPTの解答では間違いなく減点されてしまうことでしょう。

②に該当するのは、理系大問5や文系大問3です。①の間違いは比較的軽微なものでしたが、②の間違いはかなり深刻です。理系大問5における誤答を見てみましょう。

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