まるでドーミーイン?「中国のホテル」の凄い進化 おもてなしも凄い、現地のホテル事情を分析
低価格帯ビジネスホテル「漢庭酒店」で知られる華住集団が展開する「桔子酒店(オレンジホテル)」もその一つ。
大連で宿泊したオレンジホテルはインテリアからウェルカムドリンクまで「オレンジ尽くし」で、ロビーにも柑橘系のアロマの香りが漂っていた。

ほかにも口コミの高い現地資本のホテルに泊まると、無料の洗濯乾燥機と、出前を部屋まで届けてくれるロボットはほぼ標準装備になっていた。
ご当地グルメで差別化した朝食や、ヨガマット、筋トレグッズの貸し出し、ウェルカムデザートの提供など、サービスの幅も広がっており、客室料は1泊7000~1万円台。外資系のラグジュアリーブランドと比較すると、無料サービスの多さとコスパの高さが際立つ。
無印やハードロックブランドのホテルも
改めて中国のホテルチェーンの発展の歴史を振り返ってみたい。
ビジネスホテルチェーンが台頭したのは2010年代前半。
7天連鎖酒店、錦江之星(Jinjiang Inn)、如家酒店(Home Inn)、漢庭酒店(Hanting Hotel)など客室の仕様が標準化された宿泊特化型のチェーンが全国展開するようになった。
日本のホテルチェーンでいうと「東横イン」「スーパーホテル」のポジションで、価格は200元(約4000円)前後。どこに行っても、安定したクオリティのホテルに泊まれるというのは、何かと当たり外れが大きい当時の中国では安心感があった。
2010年代半ばに入ると、「アップグレード」「個性」が中国の消費のキーワードになり、デザイナーズホテル、ライフスタイルホテル市場が立ち上がった。

中国市場を重視するグローバルブランドも、ブランドの世界観を伝えるホテルを開業した。
ハードロックブランドは2017年、中国初のハードロックホテルを、良品計画は2018年、世界初のMUJI HOTELをそれぞれ深圳市にオープンした。
それから数年もしないうちに新型コロナウイルスの感染拡大が始まり、ホテル市場は数年間にわたって低迷した。だが、ATOURはコロナ禍の間も成長を続け、2022年にナスダックに上場した。
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