採用難の時代「転職エージェント」就活生殺到の訳 「高収入だが激務」という意見を跳ね返す魅力とは?

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こうして確認すると、エージェントの就職人気が高まっているのは当然のことのように思えます。しかし、「それは違う!」と就活生に強く警鐘を鳴らす向きもあります。

櫻井亮さん(仮名)は、2年前に都内の私立大学を卒業して大手エージェントに就職しましたが、1年足らずで退職しました。退職の理由は、先ほどの②とは逆に「受け入れがたいミスマッチがあった」からです。

「就活生は、自分との面談やサポートをエージェントの仕事だと考える訳ですが、その裏に、求人を出すクライアント企業が存在します。学生には見えない対クライアントの業務が、ホント地獄でした」

まず、エージェントの担当者は、クライアント企業を新規開拓しなければなりません。勧誘メールを送っても、電話営業や飛び込み営業しても、なかなか採用担当者は会ってくれません。いま雨後の筍のようにエージェントが増えており、採用担当者はエージェントの売り込みに辟易しているからです。

採用担当者に四六時中呼び出されることも

採用担当者に会い、起用してもらえたとしても、まだ入口です。クライアント企業から見てエージェントは出入り業者。大きなこと、小さなこと、採用と関係ないことまで依頼され、顎で使われます。採用はスピードが勝負なので、採用担当者に呼び出されたら夜間でも土日でも飛んで行く必要があります。

筆者が「でも、それに見合って報酬は高かったのでは?」と聞くと、櫻井さんは「たしかに20代で年収1000万円を超える社員もいました。でも、新入社員や若手には厳しいでしょう」と言いました。

大手企業だと多数のエージェントと付き合っており、どのエージェント担当者に求人案件を依頼するか迷います。企業の経営実態や人材ニーズを知り、採用業務の経験豊富で、人間的に信頼できる担当者を選ぶでしょう。右も左もわからない新人・若手よりも「圧倒的にベテランに有利な仕事」(櫻井さん)なのです。

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