｢辛口だけど的確!｣粗品の直言が心に刺さる理由 毒舌イメージとは裏腹に周囲は人柄を褒め称える

その理由は大きく分けて3つある。1つは、芸人としての能力が圧倒的に高いからだ。身も蓋もない話だが、粗品には独自のセンスがあり、これまでに漫才やお笑いの仕事を通じて多くの人を笑わせ、楽しませてきた。その実績に由来する信頼が根底にあるので、彼の言葉は問答無用の説得力を持っている。

先輩芸人に噛みつくのも笑いのため

彼が先輩芸人などに噛みついたり、きつい言葉を吐いたりするのも、すべては笑いのためである。見る側にはそれが十分伝わっているからこそ、彼はこれまでに致命的な炎上を起こしたりはしていないのだ。

2つ目の理由は、プロデュース能力に長けているからだ。粗品は単に面白いことを考えられるだけではなく、それをどうパッケージして人々に伝えるかという部分のセンスも持ち合わせている。

たとえば、彼のYouTubeチャンネルの人気企画「チンチロ」は、彼と仲間の芸人たちがサイコロの出目で争うだけのシンプルな企画である。しかし、その見せ方が抜群に上手いので、多くの熱狂的なファンを獲得しており、武道館や横浜アリーナなどの大会場でライブも行われている。

それ以外にも、ネットで話題になったニュースについて賛否両方の意見を言う「1人賛否」など、優れたフォーマットの企画を多数世に送り出している。

ギャンブルで大金を失ったり、あえて挑発的な言動をしたりするのもセルフプロデュースの一環だろう。プロデューサーとしての企画力やバランス感覚にも優れているのが彼の強みだ。