被災地のシャッター通りで起業、高1と母の心意気 岩手県釜石市 スモールビジネスでにぎわいを

一方、併設している貸しスペースでは将来、皐さん自身が講師となって子どもたちにダンスの楽しさを伝えるレッスンなども開きたいと構想している。
ほかにも、キッズ古着コーナーの拡充や、子育て支援員の資格を持つ梓さんによる託児サービス付きネイルサロンなど、2人がやってみたいことはまだまだたくさんあるようだ。
なんでも始められるまちにしていきたい
梓さんは震災前、「これといった特徴もなく、魅力もない」と地元釜石を捉えていたという。しかし、復旧や復興に駆けつけたボランティアや支援団体の人たちから「釜石は人がいい」「ウェルカムな感じがいい」などと言われ、「逆に釜石のいいところを教えてもらった」と振り返る。
一方の皐さんは「何もないけど釜石が好き」という気持ちは物心ついたときから変わらないという。「自然があって、きれいな海がある。それに、『これがやりたい』と言えば、釜石の人たちは得意なことを生かして応援してくれる」と話す。

もちろん、地方ならではの保守的なモノの考え方をする人もいるが、「誰かが『何かしてみたい』と思ったときにまずは小さく始めてみようと思える、そんな始まりのまちになれば、釜石が今よりもっと若者も住みやすいまちになると思う」と2人は口を揃える。
津波により多くのものが失われた釜石。「復興」という事業は終わり、大きな経済の流れが停滞する中でも、小さな希望の芽は今も各地で育ち続けている。

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
無料会員登録はこちら
ログインはこちら