つくばエクスプレス「両端」で動く延伸構想の今 東京方面と土浦方面、茨城県は「一体整備」推し
今回の素案では「東京延伸との一体整備」のメリットも大きく打ち出した。秋葉原から東京への延伸は以前から沿線自治体などが要望を続けており、2016年に国の交通政策審議会がまとめた東京圏の鉄道整備の指針となる答申でも「事業計画の十分な検討が行われることを期待」するとしており、一定のお墨付きを得ている区間だ。
さらに同答申では、都心と臨海部を結ぶ地下鉄(都心部・臨海地域地下鉄)構想とTX東京延伸の一体整備や直通運転についても触れており、こちらも「検討が行われることを期待」するとしている。

沿線自治体が熱望「東京延伸」
土浦延伸と東京延伸を合わせて整備した場合、試算では事業費が約3070億円に増えるものの、黒字転換までの期間は27年に短縮。費用便益比は、コストが増えるため土浦延伸単独の場合よりやや低い1.35だが、1を上回るため整備の効果は見込まれる。
県は「土浦と東京、両方へ延伸することが沿線の発展に寄与するというスタンスで、構想の実現を目指して関係者と協議していきたい」と、土浦・東京延伸の「一体整備」をプッシュしていきたい考えだ。土浦市の安藤真理子市長も3月3日の記者会見で、TXの土浦延伸について「東京延伸と一体的に進めることで、地域経済の発展への起爆剤になるものと考えている」と述べ、一体整備に期待感を示した。
TXの東京延伸は以前から沿線自治体などが要望してきたが、最近は動きが活発化している。2024年12月、つくば市や東京都中央区など沿線の4都県11区市は、TXの東京延伸と臨海地域地下鉄の接続を目指す組織「つくばエクスプレスと都心部・臨海地域地下鉄の接続事業化促進期成同盟会」を立ち上げた。
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