メルカリに余ったギガを出品できるサービスが開始 フリマの仕組みを用いてスマホの通信量を循環
しかし、ここに矛盾がある。手続き自体は簡単でも、ギガの売買には契約手続き以上の“マネジメント”が必要だ。「手続きがイヤで乗り換えない」層が、より複雑なギガ管理に積極的になるとは考えにくい。

メルカリの調査によれば、余ったギガを「特に何もしていない」「繰り越しているが結局使わない」と答えた人が全体の75%にのぼる一方、ギガが足りなくなった人の約45%は「毎月追加でギガを購入している」という。この実態に着目し、ギガ売買という解決策を提案しているが、その手間は既存のメルカリヘビーユーザー以外には魅力が薄いだろう。

「価値の循環」に「ギガ」を加える
メルカリが通信事業に参入した理由は、単に料金を下げるためだけではない。モノ(フリマ)、お金(メルペイ)、暗号資産(メルコイン)、時間(メルカリハロ)という循環に、ギガという新しい要素を足して、「価値の循環」をさらに拡大する狙いだ。

ギガを売買する仕組みはフリマのやり方とよく似ている。ギガを売って得たお金はメルカリの残高に入り、そこからフリマやメルペイに回しやすくなる。ギガ管理をきっかけにアプリを開く回数が増えれば、ほかのサービスにも自然と触れる機会が増える。メルカリは、この流れを通じてユーザーをより深く引きつけようとしているわけだ。
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