旧ジャニーズ2月の数日間で起こった3つの出来事 解散発表・新メンバー・グループ再編が立て続けに

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とりわけ、「王子様系」のアイドルが主だった旧ジャニーズにおいて、「不良系」のアイドルとして際立った存在感を示したことは特筆に値する。メンバーの亀梨和也と赤西仁は学園ドラマ『ごくせん』第2シリーズ(日本テレビ系、2005年放送)の不良役でも人気を博し、そのイメージをより強固なものにした。音楽面でも、まだあまり一般的ではなかったラップやボイスパーカッションを取り入れたパフォーマンスで不良系の魅力を発散していた。

しかしKAT-TUNの歴史は、相次ぐメンバー脱退の歴史でもあった。6人でデビューしたが、最終的には亀梨和也、上田竜也、中丸雄一の3人に。脱退の理由はさまざまだが、メジャーデビュー以後はメンバー補充をしない旧ジャニーズの伝統もあって活動が制限された部分もあった。2021年には3人体制で『NHK紅白歌合戦』初出場を果たすなど頑張りを見せたが、結局今回の発表となった。

KATーTUN
KAT-TUNの3人(画像:X:KAT-TUN /Storm Labelsより)

KAT-TUNの解散は、旧ジャニーズの歴史という意味でもひとつの大きな節目だろう。「王子様系」グループと「不良系」グループが拮抗関係にあることが、旧ジャニーズを男性アイドル界の中心たるにふさわしいものにしていたからである。KAT-TUNの系譜を継ぐグループとしてSixTONESはいるが、全体のバランスとしては崩れてしまった。

SMAPの解散や嵐の活動休止、他のグループのメンバー脱退とはまた違う意味において、KAT-TUNの解散は「ジャニーズ」という集合体の今後に少なからぬ影響を及ぼすのではなかろうか。

旧ジャニーズのオーディションを変えた「タイプロ」

一方、KAT-TUN解散発表から3日後の2月15日、timeleszの新メンバー5人が発表された。「timelesz project(タイムレス プロジェクト)」、通称「タイプロ」の名で約10カ月にわたって開催された新メンバーオーディションへの応募総数は1万8922件。オーディションの模様はNetflixで配信され、多くの反響を呼んだ。

まず注目したいのは、このオーディションが公開型のものだったことである。一部の例外を除き、これまで旧ジャニーズのオーディションはすべて非公開。その慣例を打ち破ったと言える。

そしてもうひとつこれまでとの違いは、審査員が菊池風磨、佐藤勝利、松島聡のtimeleszメンバー3人だったことである。

旧ジャニーズ時代において、オーディションは非公開、かつジャニー喜多川氏ひとりに最終的な決定権があった。オーディション会場で掃除をしていたおじさんが実はジャニー喜多川氏だったという話もあったが、それだけ「ジャニー喜多川」という存在が神秘化されていたということでもある。

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