こうした「親玉志向」の強い独裁者リーダーに対峙する方法は、実は「歯向かわない」こと。
恐怖で人をコントロールする支配者にどんな正論を吐こうと、説得などできるわけがないからです。
アメリカの大ベストセラー『権力の48の法則』によると、権力を手に入れるための第一の法則は「決して、権力者より抜きん出てはならない」。
「あなたが有能すぎたり、野心的すぎたりすると、嫉妬深い権力者の不安を誘発し、つぶされる。常に権力者に優越感を与えるべきだ」と説いています。
ゼレンスキー氏の"最大の誤算"は?
今回、ゼレンスキー氏の"最大の誤算"は、トランプ氏を、ヨーロッパ諸国の民主的リーダーと同様に「話のわかる大人の政治家」との前提で、議論を挑んでしまったことでしょう。
トランプ氏もバンス氏も、「プーチンは現代のヒトラーであり、妥協や宥和などはありえない」というヨーロッパの指導者の共通認識は持ってはいないし、「正論」など通用しない存在なのだ……。その理解があれば、ゼレンスキー氏ももう少し違う対応をしたのかもしれません。
今回の歴史的会談によって、改めてトランプ氏の親露ぶりがクローズアップされ、「プーチンの操り人形」批判が強まると同時に、ウクライナへの支持が世界で高まっています。
「トラ(ンプ)の尾」を踏んだ格好のゼレンスキー氏ですが、どう巻き返しをはかるのか。次の一手が注目されます。
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