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日本の銀行預金は、もはや「損失確定資産」である 約30年におよぶ「ゼロ金利政策」の大きなツケ

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  • 中野 晴啓 なかのアセットマネジメント社長
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海外の多くの国々では、経済活動が活発化して景気が回復し、それが需要のさらなる拡大をもたらして物価の上昇を誘うというディマンドプル型(需要増が牽引するタイプ)のインフレが進行しています。景気も良くなっているので雇用も増え、給与も増えるという好循環が発生してきたということです。

対する日本国内におけるインフレはコストプッシュ型(コスト増によって押し上げられるタイプ)の色彩が濃くなっています。けっして景気が良い状況ではないことから、コストプッシュ型は「悪いインフレ」とも呼ばれています。

世界的なエネルギー不足とトランプの再登場

ようやく日本でも大企業を中心に賃上げが進んできたとはいえ、物価の上昇には追いついていないのが現実です。

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現に、2024年11月初旬に総務省が発表した同年9月の家計調査によると、2人以上の勤労者世帯の手取り収入にあたる「可処分所得」は前年同月比で5カ月ぶりに減少していました。物価変動の影響を除いた「実質可処分所得」についても、同じく5カ月ぶりの減少を記録しています。

一方で、今後も世界的にエネルギー不足が続くのは必至の情勢で、しばらくインフレの時代が続く可能性が高まっています。

大量の電力を必要とする生成AIやデータセンターのニーズ拡大を念頭に置けば、エネルギーの需要は恒常的に増えていくと考えるのが自然だからです。

昔の時代なら、化石燃料をとことん掘りまくることで供給量をバランスさせる手も打てたでしょうが、今はESG(環境・社会・企業統治)経営やSDGs(国連が掲げる持続可能な開発目標)が足かせとなっています。

就任早々、トランプ大統領がパリ協定からの脱退を表明したとはいえ、グローバルな規模で化石燃料の大増産が繰り広げられるとは思えません。

少なくとも、需要に見合う規模まで再生可能エネルギーが普及するまでの数十年間は、恒常的なエネルギー不足が続くというのが世界的な社会構造となるでしょう。

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