こちらは1997年創業の横浜家系ラーメンの人気店「武蔵家」の総大将で、「ラーメン 三浦家」の店主・三浦慶太さんに話を聞いた。

「麺かためはもともと多かったですが、味濃いめは最近になってかなり増えました。家系ラーメンに関しては“情報を食っている”お客さんがかなり多いんじゃないかと思います。“醤油感=濃いめ”という。
もともと家系ラーメンの場合、カエシに塩を入れず、醤油にうま味調味料を入れて“醤油感”を出すのですが、それが正義みたいになっている気がします」(三浦店主)
「醤油感のある家系ラーメンが旨い」というトレンドが先行して「味濃いめ」が増えているということだ。
情報と伝統を食べている人が増加している?
一方で、醤油感の強いしょっぱめな家系ラーメンが増えてきている中で、豚骨の骨感をじんわり感じるクラシックな家系ラーメンも人気だが、ここについてはどうか。
「お客さん側から見ると家系ラーメンって難しいですよね。特に今、クラシック系は旨いって言わないと駄目な風潮がある気がします。情報と伝統を食っているラヲタの人が増えてきていますね」(三浦店主)

家系ラーメンがそれだけ人を熱狂させる食べ物であるからこそ、情報や伝統がファンの行動を左右させているということなのである。
とは言え、家系ラーメンもここ10数年でかなり多様化してきたので、筆者としては好みのお店、味を見つけて気軽に楽しんでほしいと感じる。
もちろん専門家であれば情報や伝統も大事だが、目の前のラーメンを美味しく楽しく食べることのほうが、尊いと考えるからだ。
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