夜の歌舞伎町で人気「ショートケーキ専門店」 こだわりは「ジャージー牛乳」の生クリーム

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もともと、銀座の和割烹で18年間女将をやっていた岳野氏。しかしメニュー開発のための食べ歩きや着物の代金など、とにかくコストがかかり生活が苦しかった。35歳のとき転職を決意。常連客の紹介で、大手有名ホストクラブの広報を務めることになった。SNSやイベントを使っての宣伝だ。意外だが、当時すでに一般的になっていたSNSを、多くのホストは使いこなせていなかったのだという。

岳野めぐみ氏
縁多代表取締役で、ショートケーキカンパニーオーナーの岳野めぐみ氏。銀座割烹の女将を18年、ホストクラブ広報を5年というユニークな経歴の持ち主 (撮影:尾形文繁)

「ホストクラブのことはよく知らなかったので3カ月ぐらいでやめるつもりが、5年ぐらい続けた。ホストクラブ業界に広報というものがなかったので、先駆者としてのやりがいがあった。ただ、もっと自分が活躍できる幅を広げたいという気持ちが強くなり独立しようと思い立った」(岳野氏)

そんなとき、コロナ禍が到来。困っている飲食店に、好意でSNSや動画による宣伝戦略を教えていたところ「お金を払うから、やってくれ」という声が高まってきた。そこで2021年、立ち上げたのがSNS代行業の縁多だったのだ。

ショートケーキカンパニーのコンセプト

そこからなぜ、ショートケーキ専門店を始めることになったのだろうか。

「飲食店のオーナーには、SNS活用法を示しても、なかなか実際にやってくれない方が多い。コンサルしていても『現場を知らない』という思いもあるのだろう。それなら自分で飲食店をやってみて、見本になれたらと始めたのがショートケーキカンパニー」

ケーキ
ミルクチョコレートクリーム、ピスタチオクリームが層になっている。濃厚でまろやかな味わいに、生のフランボワーズでさっぱりと(撮影:尾形文繁)

小さなスペースで多くの種類は扱えない。それに専門店にはいろいろあるが、ショートケーキを専門にしたものは見たことがなかった。岳野氏自身、スイーツが好きで、夕食後にデザートとして食べられるスイーツのお店がないことを残念に感じていた。こうしてショートケーキカンパニーのコンセプトがつくられていった。

開店までには苦労もあった。まずは場所だ。

「当時は歌舞伎町バブルで、何をやっても儲かるという状態。空き物件がなかなか出ない。歌舞伎町では物件情報を不動産業者に出さず、コネで融通する。3年探し、やっと知り合いに紹介してもらえた」

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