「感情的知性」を備えたOpen AIの新モデルGPT-4.5 より"対話力"を高め、ビジネスシーンでの活用が期待される
こうした特徴を持つGPT-4.5が本領を発揮するのは、人間らしいコミュニケーションや、ユーザーの微妙な意図や感情をくみ取ることが求められるシーンだ。例えば、顧客対応やマーケティング支援、コンサルティング業務など、ユーザーと密接に対話を行うビジネス分野での活用が期待される。
推論機能は“現時点では”持たない
今回のモデルは、推論能力に特化した「OpenAI oシリーズ(o1、o3など)」とは開発目的が異なる。oシリーズは特に数学や科学の複雑な問題解決に強みを発揮するよう、回答を出す前に段階的な思考プロセス(リーズニング)を経る設計がされている。
このプロセスはoシリーズが動作する際に、背景情報としてChatGPTに表示されるのでご存じの方もいるだろう。
一方、GPT-4.5はリーズニングを行わず直観的な理解を通じて応答を行い、自然で共感的なコミュニケーションを得意とする。またハルシネーション(事実と異なる情報を生成する現象)の大幅な低減も実現した。
教師なし学習により獲得した世界に対する深い理解が、より正確で信頼できる情報へとたどり着ける正確さをもたらしたためだ。
たとえば知識クイズ(SimpleQA)によるベンチマークではGPT-4やGPT-4oより高い正答率を記録するなど、日常的な質問やクリエイティブな要求に対して高い評価を得ている。
OpenAIは今後、GPT-4.5に推論能力を統合する計画を示唆しており、さらなる進化に期待が集まっている。ビジネスパーソンとしては、現在、提供されているGPT-4.5の自然なコミュニケーション能力を活用しつつ、将来的な推論能力の統合による発展を見据えておくべきだろう。
新モデルはすでにChatGPTのProプランユーザー向けに提供開始されており、来週以降にはより幅広いユーザー層への開放も予定されている。
自身の業務において「人間らしさ」や「共感力」が必要とされるビジネスパーソンや、文書作成が主業務のユーザーにとって、GPT-4.5は間違いなく有益なツールとなるだろう。
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