ポン・ジュノ新作"17回も生き返る"主人公の運命 新作「ミッキー17」の制作の裏側と監督の想い

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なかでもミッキーたちを支配する独裁者ケネス・マーシャルを演じたマーク・ラファロは、これまであまりやってこなかった悪役のオファーに「なぜ?」と驚きを隠せなかったというが、最終的には役柄を新鮮に感じ、どこか抜けたところのあるこの悪役を演じることを楽しんだ。

トランプの再選は意識したのか?

くしくもアメリカではドナルド・トランプが2期目の大統領に返り咲いたばかりだが、本作が出品されたベルリン国際映画祭の公式会見の場でも「今のアメリカの大統領選挙の後の世界を予言しているようだった」という指摘も。

だが本作の撮影自体は2022年に行われたため、トランプ大統領を直接的なモチーフにしたわけではなく、「過去の歴史にあった多くの独裁者、悪い政治家の姿を混ぜてつくったキャラクター」と語るポン・ジュノ監督だが、一方で「過去からインスピレーションを受けた人物が、現在の人物として感じられるのは結局歴史が繰り返されるからだ」とも語っている。

これまでの作品で資本主義における階級社会をアイロニーに満ちた眼差しやブラックなユーモアとともに、パワフルに描きだしてきたポン・ジュノ監督。それはハリウッドと組んだ英語作品となる本作でも変わらずに響く。

壬生 智裕 映画ライター

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みぶ ともひろ / Tomohiro Mibu

福岡県生まれ、東京育ちの映画ライター。映像制作会社で映画、Vシネマ、CMなどの撮影現場に従事したのち、フリーランスの映画ライターに転向。近年は年間400本以上のイベント、インタビュー取材などに駆け回る毎日で、とくに国内映画祭、映画館などがライフワーク。ライターのほかに編集者としても活動しており、映画祭パンフレット、3D撮影現場のヒアリング本、フィルムアーカイブなどの書籍も手がける。

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