「日本は観光で復活する」"補助金"より大事な施策 木下斉vs永谷亜矢子対談【後編】
永谷:大きな予算を獲得するプレイヤーは、申請書類の作成のエキスパートを抱える大手や、自治体と脈々とリレーションを築いてきた事業者になりがちですよね。
新しく入ってくるやる気のある人って本来、めちゃくちゃ貴重な人材だと思うのですが、そこにお金が回らない制度を続けていれば、機能不全に陥るのも当たり前の話です。
せっかく「地域をよくするために関わりたい」と思っているのに、やらされるのは役場の経理作業のみ、みたいな現実では、せっかくのやる気が失われるのも無理はないです。本当にもったいない。
やる気のある人たちにこそ、お金が回る仕組みが整備されてほしいものですが。
「気づいたら予算依存になっていく」危うさ
木下:私はなんでも補助金ありきで事業を考えるのが、諸悪の根源だと思っていて、まずは補助金そのものをない前提で事業は考えるべきと思っています。補助金がなくとも黒字になることが大切。
だけど、いまだに「地方活性化で利益は出してはいけない」とか言うような人たちも一部いて、税金を使って赤字になる事業に人手不足の時代に貴重な人材を使ってしまう。それで地域が成長することなんてありえないわけです。
そして補助金というものは「麻薬」と一緒で、気づいたら依存していく。補助金がないと何もできなくなり、「補助金をもらうために何をやるか」という思考になってしまうからです。