「決めたことが続かない」組織の"あるある"を解決 組織の問題はすべて「組織継続力」にあった!

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(1)リーダーの継続的なメッセージがない

組織が変化を求められる局面では、「なぜ、何のために変わるのか」をリーダーが繰り返し発信する必要がある。

もちろん、最初に強いメッセージを発することは大事だ。これさえもなければ、続くどころか、着手する人もいないだろう。

しかし、このメッセージが最初だけならどうか? まさに「掛け声倒れ」になってしまう。継続して取り組む意義を発信し続けないなら、リーダーとしての資格はないだろう。

どんなに摩擦係数が少ない地面の上でも、押し続けない限り必ず物体はどこかで止まる。人間も同じだ。コンピューターではない。一度指令を出したら、その指令通りに実行処理し続けるかというと、そうではない。少なからず心の葛藤や周りの影響を受けながら、徐々にトーンダウンしてしまうのが人間だ。

それに、過去に「継続できなくても叱られない」という"成功体験"があるメンバーは、リーダーの執拗なメッセージがない限りすぐに継続しなくなるはずだ。

(2)環境整備が物足りない

人は環境に大きく影響を受ける。どんなに意思が固くても、ゆるい環境に身を置いていれば、たとえ組織の決定事項であっても、なかなかやり続けられない。

ある製造業の事例を紹介しよう。

業績低迷が続いていた営業部門で、新任の部長が就任。もっと営業の生産性をアップしようと、最新のSFA(営業支援システム)を導入した。

導入から2週間は、ほぼ全員が熱心にシステムへの入力を行った。しかし、その後「システムの入力に時間がかかりすぎる」「従来の方法のほうが効率的だった」という不満が出はじめた。

部長は「入力は絶対」と言うものの、具体的な運用ルールは現場任せだった。次第に入力しない社員が増えはじめた。

結局、3カ月後には入力を続けている営業は全体の2割程度に。「データが不完全では分析の意味がない」と部長も半ば諦め気味となり、システムは形骸化。その後も「仕組みで営業生産性アップ」という方針は掲げられているものの、完全に「掛け声倒れ」になってしまった。

このように、現場の主体性に依存していると、なかなか長続きしないものだ。シンプルな運用ルールを決め、定着するまでは厳格に守らせる環境を作るべきだったのだ。

コミュニケーションは何より大事

(3)メンバー間の対話不足

リーダーからの叱咤がなくても、環境が整備されていなくても、メンバーが相互にコミュニケーションをとっていれば、それなりに長続きするだろう。

「決めたことは、キチンとやろう」

「みんなやってるんだから、続けていきませんか」

そんな声掛けもないなら、組織継続力は上がらない。ある中堅IT企業の開発部門で起きた事例を紹介したい。

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