関西人の筆者が大阪万博に抱く「正直な気持ち」 1970年の万博に小学生のときに行ったが…

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4月13日の開幕まで1カ月あまりとなった。大阪メトロ中央線は、万博開催地の「夢洲」まで延伸されたが、大阪人は「わしらあんな所に用事ないわ」と冷淡である。

関西のテレビ局は、一応主催者側だから、連日「万博情報」を流しているが、ニュースでは「入場券は全然売れていません」と流しているから、気勢が上がらないこと甚だしい。

各パビリオンの予約にはアプリのダウンロードが必要とか、場内は完全キャッシュレスとか、レジ袋は一切使えないとか、小難しい話も聞こえてくる。

「客が来るかどうかもわからんのに、何をええかっこ言うてるねん」という声も聞こえる。

能天気な「バラ色の未来」をうたいあげる万博

筆者は小学生の時に大阪万博を経験した。これはまさに「バラ色の未来」を予感させた。

しかし、55年の歳月は、希望に満ちあふれた子供の瞳を曇らせるに十分だった。この時代を生きた多くの人たちは「もっとええ未来にでけへんかったのかいな」と苦い思いを抱いている。

大阪府と大阪市だけがダメだったわけではないが、時代の閉塞感を読むこともなく、能天気な「バラ色の未来」をうたいあげる万博の「場違い感」は甚だしい。

広尾 晃 ライター

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ひろお こう / Kou Hiroo

1959年大阪市生まれ。立命館大学卒業。コピーライターやプランナー、ライターとして活動。日米の野球記録を取り上げるブログ「野球の記録で話したい」を執筆している。著書に『野球崩壊 深刻化する「野球離れ」を食い止めろ!』『巨人軍の巨人 馬場正平』(ともにイースト・プレス)、『もし、あの野球選手がこうなっていたら~データで読み解くプロ野球「たられば」ワールド~』(オークラ出版)など。

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