漢方で作る｢4タイプの花粉症｣に負けないカラダ 余分な水が溜まった｢水滞｣の状態を改善する

そこでおすすめなのが『補中益気湯（ほちゅうえっきとう）』です。消化器系の機能低下、体力の低下・虚弱を回復させることを目標とした薬方薬です。

胃腸機能が衰えて疲労感、倦怠感を訴える人で、平素から虚弱な体質、カラダが疲れやすくだるい、食欲がない、ねあせをかくなどの症状や病後の衰弱等に用いて効果があります。「補中益気湯」は胃腸の働きを高めて、カラダ全体を整え丈夫にします。

鼻づまり・花粉症・蓄膿症は「余分な水分」が原因

花粉症の症状が酷くなると、膿が溜まって蓄膿症（副鼻腔炎）になってしまう心配も。また、季節に関係なく鼻水がよく出るという方もいらっしゃるかもしれません。

漢方では花粉症や鼻づまりの症状を、カラダの一部に余分な水が溜まっている「水滞（すいたい）」の状態であると考えます。必要なところに水分が少なく、特定の部分に溜まった水が溢れ出すことで鼻水やくしゃみが出てしまうのです。

この状況に陥る原因のひとつに、体を巡るエネルギーである「気」の不足によって、抵抗力も水分の巡りも悪くなっている可能性が考えられます。

ストレスや疲れなどで不足した気を補い、巡らせながら、体内の水分バランスを整える必要があるでしょう。鼻水の出方や症状の傾向に合わせて、おすすめの漢方薬があります。

蓄膿症（副鼻腔炎）、慢性鼻炎、慢性扁桃炎などに使われます。体の余分な熱を冷ます働きもあるので、にきびの改善に使われることも。

辛夷清肺湯は、呼吸器を潤す作用が期待できる漢方薬。鼻の乾燥を改善し、鼻づまりの症状に効果を発揮します。

花粉症やアレルギー性鼻炎などの症状に使われることが多いのが小青竜湯。気管支炎、気管支喘息、むくみなどにも使われる漢方薬です。

春は、多くの人にとっては季節の変わり目に対応するのが難しく、自律神経のバランスが乱れやすくなる季節でもあります。

漢方では、春は「風」の季節といい風の影響を受けやすいと考えられています。「風」の中でも人体に悪い影響を与えるようになったものが「風邪（ふうじゃ）」となります。