「仕事が終わらない…」抱えすぎたタスクに「優先順位」をつける思考法

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専務と直接話すのは、はじめてである。もともと同業他社出身で日本有数のビジネススクールでMBAを取得し、この会社に転職して取締役に就任した。母校のビジネススクールで教鞭をとるとともに、各方面で講演などの依頼も絶えないビジネスの達人だ。ということは、私の抱える悩みも解決してくれるかもしれない。思い切って相談してみることにした。

「実は仕事を抱えすぎて、追い付かなくなっています。どこから手を付ければいいでしょうか」

「そうだね。私でよければ力になるよ。まあ、歳相応にいろいろと知恵は持っているからね」

柔和な笑みの裏に、一瞬鋭い眼光を感じた。

「では、よろしくお願いします」

仕事を「緊急度」と「重要度」で分類する

「じゃあ、まずは仕事の整理をしてみようか。今抱えている、悩みの種の仕事を教えてもらえるかな?」

私は新たに抱えることになった仕事のうち、どこから手を付けていいか悩んでいる、手間のかかりそうなもの4つについて説明した。

A:3日後に行われる入札のプレゼン資料作り
B:週末に行われる社内ゴルフコンペの準備
C:2週間後までに提出する来期の計画策定
D:来週金曜日に行われる会議の資料のブラッシュアップ(主に見映えを良くする作業)

「まずはこれらの仕事を、緊急度の高い仕事と低いタスクに分けてみようか」

馬場専務に促され、私は4つの仕事の緊急度の高低でグループ分けを行った。

【緊急度:高】
A:3日後に行われる入札のプレゼン資料作り
B:週末に行われる社内ゴルフコンペの準備
【緊急度:低】
C:2週間後までに提出する来期の計画策定
D:来週金曜日に行われる会議の資料のブラッシュアップ

「それぞれの仕事の重要度はどうかな?」

【重要度:高】
A:3日後に行われる入札のプレゼン資料作り
C:2週間後までに提出する来期の計画策定
【重要度:低】
B:週末に行われる社内ゴルフコンペの準備
D:来週金曜日に行われる会議の資料のブラッシュアップ

「最後に、緊急度と重要度を縦軸と横軸にした図を作って、それぞれを配置してみようか」

私は近くにあったホワイトボードを裏返し、まっさらな部分に指示通りに書き込みをしていく。

「はい、こうなりました」

アイゼンハワーマトリクス例1
アイゼンハワーマトリクス例1(『マトリクス思考』より)
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