「中国人の"爆買爆旅"は全てここから始まる?」3億人以上が利用する中国最大の口コミ型SNS「RED(小紅書)」の知られざる真実

✎ 1〜 ✎ 9 ✎ 10 ✎ 11 ✎ 12
著者フォロー
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小

中国のZ世代やミレニアル世代にとって、商品選びや旅行先の検索は「まず『RED(小紅書)』が当たり前」になりつつあります。

「WeChat」や「Baidu」検索(中国版Google)ではなく、「RED(小紅書)」の口コミ投稿を優先してチェックするのです。

これは、「RED(小紅書)」が写真や動画、テキスト情報を組み合わせた「実体験ベースの口コミ」を豊富に持つからです。

たとえば美容・コスメ分野では、「RED(小紅書)」での口コミや評価が購買の決定打になります。

ユーザーは「使ってみてどうだったか」をじっくり読み込み、共感できればすぐにECサイトで購入するか、「RED(小紅書)」内のショップ機能でそのまま買ってしまう。

こうした「情報検索から購入までの流れ」が「RED(小紅書)」内で完結していることが大きな強みです。

「RED(小紅書)」を外すと、競合に遅れをとる

中国国内企業が「RED(小紅書)」を駆使している理由は、「ユーザーがそこにいるから」という極めてシンプルなものです。

中国のコスメブランドの「完美日記(Perfect Diary)」は、「RED(小紅書)」でのクチコミ拡散戦略を徹底することで、創業から数年でロレアルや資生堂と肩を並べるトップブランドへ成長しました。

飲料の「元気森林」やおもちゃの「泡泡瑪特」も、「RED(小紅書)」でのバズを起点に大ブレイクしています。

このように、多くの中国ブランドが「『RED(小紅書)』で種をまき、消費者の需要を喚起してから、ECで爆発的に売る」という手法を確立してきました。

もしここで海外企業が「RED(小紅書)」を活用しないとなれば、すでに「RED(小紅書)マーケティング」に慣れた中国ブランドに対して大きく不利になります。

ユーザーに製品情報を見つけてもらえなければ、そもそも比較検討の土俵に上がることすら難しくなるのです。

次の記事では実際の活用事例を紹介しながら、日本企業がどう対応していくべきかなどについて解説していきます。

岡 俊輔 中国在住経営者 北京大学MBA23期生

著者をフォローすると、最新記事をメールでお知らせします。右上のボタンからフォローください。

おか・しゅんすけ / Shunsuke Oka

1988年東京都生まれ。大学時代に中国に交換留学をし、在学時に中国ネットマーケティング会社を創業。当時講談社やTechwave等にて記事連載。CCI主催のSocial Media Week TOKYO等で登壇。

28歳の時に中華系広告代理店に就職。MGRとして中国ネット企業の日本市場広告代理事業の立ち上げをし売上約10倍。31歳の時に大手日系デジタル広告代理店の中国法人のCEOに就任、現在4期目。

Tech領域は19年にプログラミング学校G'sACADEMYピッチイベントGGAにて優勝。同年中国Web3業界で著名な李笑来氏の書籍翻訳。

HSK6級,HSKK高級(中国語最上級資格)。北京大学MBA23期生。

この著者の記事一覧はこちら
ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

関連記事
トピックボードAD
キャリア・教育の人気記事